2024.10.11 福祉・ヘルスケアへの参入、異業種で相次ぐ 超高齢社会にらみロボットなど開発
コミュニケーションサポートロボット「CoRoMoCo」
日本が超高齢社会へと突入する中、福祉やヘルスケア分野に新規参入するメーカーが相次いでいる。自動車部品メーカーや、小売り店舗でお馴染みの呼び込み機を手掛ける企業まで、独自のノウハウを生かした異業種からの参入も目立つ。健康志向の高まりと合わせ、どれだけ社会の需要をつかめるか。ヘルスケアを取り巻く市場競争がますます熱を帯びてきた。
自動車などのエンジン部品を手掛けるTPR(東京都千代田区)の介護施設向けコミュニケーションサポートロボット「CoRoMoCo(コロモコ)」。新規事業として2年前から開発に着手し、来年春の発売にめどをつけた。
搭載するカメラで表情を分析できるほか、抱っこするだけでバイタルの測定も可能だ。コロモコと会話しているときの入居者の変化をデータでとらえ、よりよいコミュニケーションにつなげることも狙う。
新規事業開発企画室の内田洋輔氏は「(コロモコとの)会話を通じて入居者は、自分が求められていると感じられる」と話す。普段、介護される側である入居者が持つ「役立ちたい」という欲求に応え、ストレスの緩和につなげることを目指している。
同社は、2~4日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された国際福祉機器展に実機を展示。3日間で2000人以上がブースに来場するなど、注目度は高い。
入眠に着目し、健康志向の高まりに応えようとする製品も登場している。
EMS(電子機器受託製造)事業を行い、スーパーなどでお馴染みの「呼び込み君」を開発・販売する群馬電機(群馬県みどり市)も、ケアライフ商品部を立ち上げ、ヘルスケア分野に新規参入した1社だ。
9月には、自社EC(電子商取引)サイトで快眠サポートぬいぐるみ「Relapy(リラピー)」を発売。リラピーはトイプードル型と猫型のぬいぐるみで、本物のような鼓動と体温を感じられるものだ。更年期障害や睡眠に悩みを持つ10代から50代の幅広い年齢層の女性をターゲットにする。
同社は、東京ビッグサイトで9月30日~10月2日に開催された「Well-beauty Style 2024」にリラピーを出展。ケアライフ商品部の小川健氏は「サロンの経営者からの関心が高かった。来店のリピート商材として、雑貨販売をしたいと考えている方が多かった」と手ごたえを語った。