2024.10.21 【あかりの日特集】クラレ 耐熱性ポリアミド「ジェネスタ」 LED反射板などに採用

ジェネスタの用途例(LED反射板)

 クラレは、LED関連材料として、LED反射板用材料の耐熱性ポリアミド「ジェネスタ」を展開。スマートフォンやタブレット向けのほか、LED照明や自動車車室内照明、看板ディスプレー向けLEDなどの用途に採用されている。

 ジェネスタは同社が世界で初めて工業化したノナンジアミン(炭素数9のジアミン)を使用したポリアミド樹脂(PA9T)。芳香環と高級脂肪族鎖からなるユニークな化学構造の半芳香族ポリアミドで、耐熱性、低吸水性、耐薬品性などの優れた特徴を持つ。

 ジェネスタの用途は、LED反射板およびコネクターなどリフロー対応電子部品が大半を占めているが、近年は自動車部品向け需要も拡大している。LED反射板では、スマホやタブレット、液晶テレビバッククライト反射板向けなどで販売を伸ばしてきた。

 さらに、LED照明や自動車(車室内LEDランプ、カーナビなど)向けLEDなどでも引き合いが増加している。

 照明用は、中国のLED化率上昇などがジェネスタの需要を押し上げている。自動車向けでは、ピッチの小径化に伴い、信頼性の高いジェネスタが評価されており、採用が進んでいる。

 ジェネスタ事業では、世界10カ国・13拠点に販売や技術サービスの担当者を配置している。国内ではCAE解析を行う「つくば研究センター」(茨城県つくば市)による顧客との共創を推進する。

 ジェネスタの生産体制拡充では、タイ新工場が2023年2月より順調に稼働を開始しており、顧客側での承認作業を経て既に広く市場に浸透している。