2024.10.28 【半導体製造装置特集】東レエンジニアリング先端半導体MIテクノロジー 光学式ウエハー外観検査装置「インスペクトラ」、高速高精度を実現

インスペクトラの最新モデル「SR-Ⅳ」

 東レエンジニアリング(TRENG)グループの東レエンジニアリング先端半導体MIテクノロジー(TASMIT)は、半導体検査装置事業を手掛ける。位置決め、イメージング、データ解析、画像処理で高度な技術を持ち、製品として光学式ウエハー外観検査装置「INSPECTRA(インスペクトラ)」、電子線式ウエハー検査・計測装置「NGR」をラインアップする。

 インスペクトラはコア技術の一つとして良品学習アルゴリズムを採用している。この技術が生産品のバラツキ傾向を自動で学習し、OK/NGを判断することで高速高精度検査を実現する。

 検査対象はMEMS(微小電子機械システム)、CMOSセンサー、通信フィルター、マイクロLEDなど幅広く、PLP(パネルレベルパッケージ)などの新パッケージにも対応する。

 高速検査により全数検査が容易であり、高い信頼性が求められる車載用パワー半導体にマッチする。最新モデル「SR-Ⅳ」では高倍率検査での検査速度を従来機種比で約2倍に進化させるなど、パワー半導体の各工程への適用を拡大している。複数機種で部品の共通化も進め、生産効率向上と納期短縮も図ってきた。

 業界はSiC(炭化ケイ素)パワーモジュール量産に向けた投資を開始。市場拡大を踏まえて採用増を見込む。インスペクトラは国内でのシェアが高く、強化エリアは中国や欧州。デモセンターは中国や台湾、韓国、ドイツに配置している。

 一方、NGRはロジック・メモリーを中心に先端半導体の開発目的に使用されている。AI(人工知能)向け半導体が市場をけん引しており、先端半導体向けが重点市場。量産工場での採用拡大を図る方針だ。

 先端半導体は微小なプロセス変動により欠陥が生じやすい。歩留まり低下を防ぐには露光装置がポイントになる。

 各工場のデバイスに最適化された露光装置の状態監視手法に活用。標準装置としてNGR事業を拡大していく考えだ。