2024.11.06 オムロン、4~9月連結は減収・赤字転落 通期予想で営業益上方修正

 オムロンの2025年3月期第2四半期(24年4~9月)連結決算は減収で赤字に転落。売上高は社会システム事業が増加したものの、制御機器事業や電子部品事業において設備投資需要が総じて低調に推移し減少。利益は構造改革の効果や売上総利益率の改善があったが、売上高減少による影響を受け減少した。

 制御機器事業は日本の半導体市場が中国の半導体国産化に向けた投資を受けて好調。一方、欧州、中国の需要が弱含むなど、全体としては低調。販売代理店の在庫調整も続いた。ヘルスケア事業は欧州などで血圧計の需要が堅調に推移した一方で、中国の消費者の購買意欲の低下などで低調だった。

 社会システム事業は増収増益。住宅領域の需要は回復傾向で堅調に推移。また、駅務システム事業における顧客の投資需要、マネジメント・サービスソリューション事業の店舗設備の保守サービス需要も好調。電子部品事業は欧州や日本を中心に顧客での在庫消化の停滞や生産計画修正などにより低調。データソリューション事業は堅調に推移した。

 通期連結業績予想は前回発表した数値から売上高を下方修正、営業利益を上方修正する。制御機器事業は上方修正、データソリューション事業は営業利益を上方修正する。国内人員削減数は1206人、海外人員削減数は1163人。

 辻永順太社長は「制御機器事業は営業利益率も10%を超えてきた。構造改革の人員数の最適化の効果が出てきた。また、棚卸資産の評価損が効いている。効果は第2四半期が大きくなっている」と話す。