2024.11.15 IEEEマイルストーンに認定 島津製作所のレーザーイオン化質量分析計「LAMS-50K」

銘板を受け取る山本社長(左)

 島津製作所のレーザーイオン化質量分析計「LAMS-50K」がIEEE Milestone(マイルストーン)」に認定されたのを受け15日、京都市中京区の同社本社で認定証の贈呈式が行われた。

 IEEEは国際的な電気・電子分野の研究者の団体。IEEEマイルストーンは「誕生から25年以上経た重要な技術業績」を称える賞。今回の認定理由は「ソフトレーザー脱離イオン化技術を応用した世界初の製品で、分子生物学や医学などの分野に貢献した」ことによる。

 贈呈式の前に行われた記者会見では1984年誕生の装置開発に携わり、ノーベル化学賞受賞者で現在同社のエグゼクティブ・リサーチフェローの田中耕一氏が同装置開発の舞台裏や苦労話を語った。

 田中氏は会見で「大学時代(東北大大学工学部)はアンテナ工学を専攻したが、(島津製作所という)違う分野に入ってしまった。いまとなっては異分野を知ったことはなんらかの役に立ったと思っている。実際は質量分析計の開発に5人のチームで取り組んだが、多くの人の協力があったからこそ、今回の認定につながった」と振り返った。

 贈呈式では2020IEEE会長の福田敏男氏(名古屋大学名誉教授)から島津製作所の山本靖則社長にIEEEマイルストーンの銘板が贈呈され、山本社長は「来年当社は150周年を迎える。今回の認定を励みに、一層躍進していきたい」とあいさつした。

 IEEEマイルストーンの日本での認定は島津製作所で46番目、日本全体では49番目になる。

(11月22日付ハイテクノロジー面で詳報します)