2024.11.29 カシオ、4~9月連結は営業益26.5%増

 カシオ計算機が27日発表した2025年3月期第2四半期(24年4~9月)連結決算は、時計と教育関数事業が堅調に推移し、前年同期比2.5%増の1369億4700万円、営業利益は同26.5%増の103億4100万円となった。最終利益は構造改革に伴う特別損失を計上したことで同50.7%減の35億8000万円だった。

 10月5日にランサムウエア(身代金要求型ウイルス)の攻撃を受け基幹システムをはじめサプライチェーンに関連するシステムが停止した。現在、システムは復旧しほぼ正常化したものの、製品の供給ができない状況が発生し販売機会が損失。第3四半期に売り上げで約130億円、営業利益で約40億円の影響が出ることが分かった。

 これに伴い、通期連結業績見通しを売り上げで130億円、営業利益、経常利益、最終利益でそれぞれ20億円下方修正した。会見した執行役員の田村誠治IR・財務戦略担当は「ランサムウエアの影響は第3四半期のみで、第4四半期からは正常化する。構造改革は計画通り進んでいる」と述べた。

 事業別には、時計事業は同4.4%増の854億円だった。中国が大幅減となったが、国内、欧米とも前年比増となり、その他地域ではインドがけん引した。EdTech事業も2.4%増収となり営業利益率も14.1%と前年から伸ばした。一方のサウンド事業は楽器市場に厳しさが残るものの前年比微減で計画通りに着地。システムは人事向けの成約の遅延などの影響を受け減収減益だった。