2024.12.16 世界初の無線中継技術、KDDIと京セラが開発 ミリ波のエリア飛躍的に拡大
中継器設置前後で道路のカバー率を33%から99%に拡大した
KDDIと京セラは16日、高速通信規格5Gの高度化に有効なミリ波(28ギガヘルツ帯)の通信エリアを飛躍的に拡張する無線中継技術の開発に世界で初めて成功したと発表した。
新開発の技術は、従来の無線中継技術で構成される受信機能(ドナー)と送信機能(サービス)の独立概念を一新。送受信機能を備え、環境に適応して役割を切り替えるのが特徴。
これまでエリアを構築するには基地局に各アンテナの役割と指向方向を調整する必要があったが、新技術では、各アンテナがドナー面とサービス面の両機能を持つ。ミリ波基地局から受信したアンテナ面をドナー面として、その他アンテナをサービス面として動的に切り替えることで、中継器同士が網目のようにつながり、メッシュ状にエリア構築する。
24年10月から東京都新宿区の西新宿地区ビル街で行った実証試験では、約600メートル四方にある街路灯や地下出入口などに計22台の中継器を実装した結果、既存のミリ波のカバー率と比較し、道路のカバー率が33%から99%に拡大した。
両社は25年3月末まで試験を続け、通信量の増加が見込まれる繁華街や駅、競技場など向けに25年度中にサービス提供を始めたい考え。(17日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)