2024.12.27 産業分野を支える無線通信モジュール
江川 社長
スマートフォンやノートパソコンをはじめとするモバイル機器の普及により、われわれの生活において無線通信技術は欠かせないものとなっている。Wi-FiやBluetooth(BLE)はその代表格。こうした民生向けだけでなく、産業分野にも目を向けるとさまざまな無線通信技術が存在する。製造業、物流、医療、農業など幅広い産業分野では、さまざまな特性を持つ無線通信技術を用い、目的や用途に応じた最適な利活用がなされている。
米ディジインターナショナルは、Wi-Fiやセルラーなど各種無線通信技術を駆使したIoTコネクティビティー製品およびサービスを提供するリーディングカンパニー。幅広い産業で無線通信技術やエッジコンピューティングの利活用が進む中、多種多様な製品を提案している。
無線通信技術は、使用する周波数帯や通信範囲などに応じて規格化されている。主な通信規格として先にも触れたWi-FiやBLEのほか、携帯電話ベースの無線通信技術であるセルラー型、Zigbee、LPWA(Low Power Wide Area)などが存在する。セルラー型の中にはLTE-M(LTE Cat-M1)やNB-IoTなど複数の通信規格が含まれる。LPWAは低消費電力で長距離無線通信が可能な通信規格の総称で、SigfoxやLoRaWANなどが含まれる。920メガヘルツ帯を使用することが特徴だ。
ディジインターナショナルはこれらの無線通信規格をベースとしたSoM(システムオンモジュール)や組み込みボードを提供している。各種マイコンなどを提供する半導体メーカーと連携し、さまざまな用途に合わせ製品群をそろえる。日本法人の江川将峰代表取締役社長は「今年は数多くの新製品を発表することができた。次世代製品の開発も進めており、25年も積極的に新製品を投入していく」と話す。
最新製品は、920メガヘルツ帯で動作する無線モジュール「XBee XR920」。これまで北米向けでは展開していたが、今年末に920メガヘルツに対応し日本市場向けとしてリリースした。今年末に開催された展示会で初出品し、国内での採用も決定している。屋外で使用するIoT機器やインフラ関連、防災向けなどでの利用を見込む。
そのほかの新製品として、STマイクロエレクトロニクスのMPU「STM32MP25」をベースとしたSoM「ConnectCore MP25」を今春に発表した。Wi-Fiの高速規格であるWi-Fi6および6E、BLEに対応。ニューラルプロセッシングユニット(NPU)とイメージシグナルプロセッサを統合したAI(人工知能)や機械学習機能を備え、高速通信と信頼性の高いワイヤレスコネクティビティーを実現する。「インダストリアルや医療、エネルギー、輸送など幅広い分野に最適」(江川社長)とし、今後の市場拡大が期待されるエッジAIでも活用できる。
同社ではSTマイクロエレクトロニクス以外にも、蘭NXPセミコンダクターズのマイコン「i.MXシリーズ」を採用した製品も取りそろえる。i.MX91/93をベースとした「ConnectCore 91/93」はインダストリアルIoT向けで着実に実績を拡大している。江川社長は「STマイクロ、NXPそれぞれの製品が揃い、顧客にとっても選択肢の幅が広がった。AIの利活用が広がり、今後はエッジでも活用が期待できる。当社の強みとするワイヤレス技術を生かし、さらなるビジネス拡大を目指す」と話す。