2025.01.08 【製造技術総合特集】主要各社の25年戦略 品川商工

中村 社長

DX、GX、EXに注力 成長続くインド市場に期待

 品川商工は1959年6月の創業以来、エンジニアリングプラスチックを中心とした配線・基板関連部品の開発、製造、販売の専業メーカーとして、電気・電子機器関連の幅広い分野に向けてオンリーワンにこだわった独創的なワイヤリングアクセサリー製品を数多く提供している。

 堅実経営を貫いており、創業から毎期連続の黒字経営を続けている。

 中村利恵社長は「21年にアメリカで発生した大寒波の影響で、製造業全体で原料や部材などの不足が深刻化した。当社の約1400社の顧客から先行発注が増えたことで、売り上げがリーマンショック以前の水準まで伸びた期間もあったが、23年からその反動で調整局面に入り、当社も大きく影響を受けた。24年は秋以降、下期に入ってから半導体関連のお客さまの中で変化が出始めたことで、わずかながら戻ってきた印象だ。25年は徐々に回復傾向に向かうとみている」と述べる。

 アフターコロナの柱となる新規事業を開拓すべく、DXやGX、EXに注力している。グローバルで脱炭素の潮流が加速する中、同社も取り組みを本格化し中長期の構えで試作・開発に着手。省人化やIoT化、スマートファクトリーの潮流でもビジネスチャンスを模索する。

 グローバル化では、40年以上の実績がある同社貿易部が中心になり、世界各国に代理店を設けて基盤を固めた上、直貿にも対応している。

 中村社長は「特にインド市場に注目している。既にインドの現地ハーネスメーカーからの引き合いもあった。暑い気候のためエアコンが伸びると、10年以上前から注力してきた。24年は関連企業からのインド市場向け引き合いが増加し、エアコン以外に鉄道関連の受注もあった。インドは人口が多く、今後の大きな成長が期待される市場だ。情報を収集し、着実に取り組みたい」との方向性を示している。

 25年は半導体関連に期待している。中村社長は「国策としても半導体業界は盛り上がってきている。現在半導体で活況を呈している九州は、その先に長期展望として宇宙産業も視野に入れているようで楽しみな地域だ」と話す。