2025.01.08 【製造技術総合特集】主要各社の25年戦略 安川電機
上山 事業部長
アイキューブメカトロニクス軸に
安川電機は、製造現場のデジタルデータマネジメントによる自動化ソリューションコンセプト「i³-Mechatronics(アイキューブメカトロニクス)」を推進し、新たな産業自動化革命の実現を目指している。
上山顕治上席執行役員モーションコントロール事業部長は「コロナ禍による部品不足などのサプライチェーンの混乱により遅れていた生産が2023年ごろから安定したことで、24年は半導体を中心に受注が戻ると予測していたが、期待通りとはいかず、緩やかな伸びとなった。その中で米国は、半導体製造装置向け需要が伸びてきた。日本も含め製造装置メーカーからの受注が徐々に回復傾向にあり、25年に関して高い目標を立てられるまでにはなった」と述べる。
中国市場は鈍化
23年に伸長した中国市場は一服感もあり、鈍化。韓国も秋以降、半導体関連の投資が先送りになっていることは懸念されるが、新規の受注を獲得すべく提案を続けている。
アイキューブメカトロニクスを実現するコントローラーソリューションを「iCube Control」として新たに展開。装置や産業用ロボットなどで構成されたセルを統合的に制御し、データをリアルタイムに収集・活用してフィードバックできるYRMコントローラー「YRM1010」を昨年1月に発売した。マシンコントローラーMP3000シリーズの後継機種「MPX(エムピーエックス)1000シリーズ」の第1弾として「MPX1310」もリリースした。
ACサーボドライブΣ-X(シグマ・テン)シリーズに、CEマーキング機械指令にも適合した多様な機能安全対応製品として、サーボパック側面に取り付けられるアドバンストセーフティーモジュール「ASM-X」と、機能安全対応サーボモーターの二つを新たにラインアップした。
上山事業部長は「アイキューブメカトロニクスを軸にした成長戦略は継続しつつ、コントローラー製品のポートフォリオを拡充してきた。25年はそれらを生かして、成果につなげていきたい」と意気込む。