車載用モーター成長
新機能で需要創出に期待

　変換部品のグローバル需要は、20年は新型コロナの影響で自動車需要や産機需要が低迷したが、21年は前年後半からの自動車関連需要の復調や、産機関連需要の回復が変換部品のグローバル需要を反転させ、年間を通じて好調に推移した。22年も、自動車や産機関連の需要増などにより、総じて堅調に推移。音響部品やセンサーは軟調だったが、アクチュエーターなどがけん引し、変換部品全体では22年も高い成長を遂げた。

　23年は、ほかの部品と同様に車載は比較的堅調だったものの、民生機器や産機需要の低迷が需要を軟化させた。24年も産機需要の低迷が継続し、車載もEV市場減速により、当初の想定を下回る推移となった。

　モーターは、車の電子装備率上昇やxEV化が自動車1台当たりのポテンシャルを増大させている。車1台でのモーター搭載数量は高級車では100個以上とされ、中・小型車や軽自動車でも年々増加している。今後も、ADASの高度化や乗員の快適性向上に向けた新機能付加などにより、車載用モーターのグローバル需要は成長が見込まれる。

　モーターの製品開発では、省エネや高効率、長寿命、小型軽量などの追求がさらに加速する。車載関連では、シートベルトプリテンショナー、グリルシャッターなどの新機能での需要創出も期待される。

　音響部品は、ノイズキャンセル機能搭載ヘッドホンなどの高付加価値品の需要拡大、さらにIoTやAR／VR関連などの新用途での需要増加が期待される。

　車載スピーカーは、プレミアムカーを中心に車1台での純正スピーカー搭載数量が増加しており、今後も車の台数増を上回る成長が見込まれる。完全自動運転車向け高級音響システムに照準を合わせた製品開発も活発化している。

　磁気ヘッドは、25年もデータセンター市場の成長により、高容量HDDでの需要増が予測される。