2025.01.14 成長遂げるエレクトロニクス商社 リバウンドエレクトロニクスの2025年事業戦略
日本法人の塚原代表取締役
リバウンドエレクトロニクスは英国に本社を構える電子部品・半導体の独立系代理店。欧州で培ったノウハウとグローバルネットワークを生かし、急成長を遂げている。2024年は営業力の強化と新たなサービス・サポートの推進により、強固な地盤固めの年となった。25年は飛躍の年と位置付け、実績拡大につなげていく。日本法人の塚原雅之代表取締役に25年の市場展望と事業戦略を聞いた。
―25年の展望を聞かせてください。
塚原代表 昨年は市場の立ち上がりが遅れ、厳しい年となった。中国市場の低迷により、影響を受けた顧客も多く、年後半からは欧州の景況悪化も響いてきた。そういう状況の中でも、年末には新規の受注も入り始めている。半導体製造装置向けなども在庫調整が終わり、発注フェーズに入ってきたほか、AI(人工知能)関連や高速通信関連需要の高まりを背景に光モジュール関連の需要も高まってきている。25年は良いスタートが切れそうだ。今年も各拠点で人員体制を倍増させ、6月には海外への社員旅行も計画している。
―昨年は新たなサービスや体制強化に取り組んできました。
塚原代表 この数年は、半導体不足による緊急調達需要やその反動による在庫調整など、需給の変化が大きくあっという間に過ぎた印象。昨年は半導体不足による多忙な時期を終えて、サービスの重要さを改めて認識し、体制強化に取り組んだ1年だった。22年に開設した関西営業所(京都市)、東海営業所(名古屋市)、九州営業所(福岡市)で人員を増やし、サービスの質向上にも取り組んできた。
人員体制や営業力強化とともに、注力したのが新サービスへの取り組み。その一つとして、独自の代理店ブランド「Nuvonix(ヌーヴォニクス)」を展開し、入手困難な部品や不足部品を必要とする顧客に対し、代替品提案を行い、顧客のものづくりをサポートしている。
―ヌーヴォニクスについて教えてください。
塚原代表 ヌ―ヴォニクス商品として扱うのは大手メーカー製品と互換性のある製品が中心で、アナログ系半導体やディスクリートのほか、コネクターやコンデンサーなどの電子部品も取りそろえる。サービス開始以降、ヌーヴォニクス製品の売り上げは着実に伸びてきており、顧客ニーズへの対応と提案力が実を結んだ。
―そのほかの新サービスについても教えてください。
塚原代表 顧客の余剰在庫買取サービスも、新たな取り組みの一つ。買い取った余剰在庫を必要とする顧客にマッチングするなどし、顧客からも高い評価を得ている。これらの新サービスでの売り上げ拡大に加え、昨年末から新規受注の拡大を弾みに25年は飛躍の年にしたい。
―25年の売り上げ拡大に向けた意気込みを。
塚原代表 25年は引き続き、新サービスも開始する。必要な部品をまとめて納入する「キッティングサービス」は顧客からの要望が高く、サービス化を目指していく。そのほか、パートナー企業との協業による基板実装サービスなど、新たな取り組みを計画する。半導体関連企業では新工場の開設や稼働の計画もあり、25年以降も需要が高まる見込み。人員体制を強化し、さらなる成長につなげていく。