2025.01.15 半導体は「縁の下の力持ち」半導体業界の若手社員に聞く トレックス・セミコンダクター①

左から青木さん、満石さん、岸本さん、牧野さん、田端さん

 今、成長分野として注目を集めている半導体業界で働く若い世代の声を届ける企画。電源ICを手掛けるファブレス、トレックス・セミコンダクターの若手社員5人にインタビューを行った。全3回のうち1回目となる今回は、入社前どのようにして半導体に興味を持ち、どのように現在の配属になったか、答えてもらった。

【ご協力いただいた若手社員の皆さん(五十音順)】

青木洸太(あおき・こうた)さん 3年目 設計・開発を担当
岸本琉壱(きしもと・るい)さん 1年目 プロセス技術を担当
田端樹(たばた・いつき)さん  3年目 設計・開発を担当
牧野賀成(まきの・かなる)さん 2年目 設計・開発を担当
満石海(みついし・かい)さん  1年目 設計・開発を担当

大学で半導体分野を専攻

―皆さんはどうして半導体業界に就職したのですか。

 牧野さん 大学で半導体分野の研究室に所属していたので、それを生かせる業種に就職したかったというのが大きいです。ここにいる5人とも学生時代から半導体分野に関わっていました。

 青木さん 私は高校のころから半導体に興味を持っていました。半導体は電子部品なので、そういう「縁の下の力持ち」のような役割が肌に合っていました。

 満石さん 半導体がありとあらゆるものに使われることに面白さを感じ、この分野を専門にしました。

 田端さん 半導体は個人の趣味では作れず、設備がないと関わることができないというのが自分にとって大きかったです。大学や企業に所属し携わりたいと考えました。

 岸本さん もともと宇宙に興味があり、大学では理学部で物理学を学びました。その関連で、研究室で半導体に関わることになり、深く追究すると面白い学問だと感じ、仕事に選びました。

牧野賀成さん

学生時代の研究とシームレスにつながる仕事

―入社後、半導体業界に抱いていたイメージとのギャップを感じましたか。

 牧野さん 品質保証やテストといった、大学の授業でやったことがない工程に初めて触れ、半導体分野で学ぶべきことが想像していたより広いと感じました。

 満石さん 私も一つの製品を作るのに長い時間が必要になることには驚きましたが、入社前から仕事内容をイメージできていた面もあります。事前の会社説明会と学生時代の知識で「大体こういうことをするのだな」と想像できました。仕事が学生時代の研究とシームレスにつながっているように思います。

 田端さん 学生から社会人になる上での戸惑いもそれほどありませんでした。会社の規模が大き過ぎず、なじみやすい空気だったのもあると思います。私は入社後すぐになじめたので、入社から半年で先輩から「君、何年目?」と言われたくらいです。

満石海さん

―入社前のインターンシップ、入社直後の研修はいかがでしたか。また、配属希望はどの程度反映されたのでしょうか。

 青木さん インターンシップには基本、皆参加しました。インターンシップは自分が半導体の設計に興味を持つきっかけにもなりました。

 牧野さん 研修は入社後4カ月間あり、その後、面談を通じて配属希望も反映してくれました。

 岸本さん インターンシップは設計がメインでしたが、もともと幅広い分野に関心を持っていたこともあり、自分は職種別インターンシップの機会をつくってもらいました。その中でプロセスを希望し、今の所属となりました。

【トレックス・セミコンダクターについて】

 トレックス・セミコンダクターは、アナログ半導体である電源ICを主に手掛ける。工場がなく、設計開発を行うファブレス企業。1995年設立で、今年30周年を迎える。本社は東京都中央区。