2025.01.17 【情報通信総合特集】情報サービス トップに聞く 25年の見通し・経営戦略 三菱電機 三谷英一郎常務執行役CIO兼ビジネス・プラットフォームビジネスエリアオーナー
グループ全体が連携へ
デジタル基盤「Serendie」活用
2025年度は、生成AI(人工知能)が実需に移っていく。DX(デジタルトランスフォーメーション)化も着実に進んできた。一方、サイバー攻撃は、複雑化し、脅威も高まっている。お客さまのセキュリティー対策も加速している。今後は、製造分野などのOTセキュリティーがますます重要になってくる。
当社およびITグループ各社の業績は、当初の計画を上振れする見込みだ。お客さまのIT投資も活発になっている。ITグループ会社では、三菱電機インフォメーションシステムズ(MDIS)は、引き続きSAP中心のDX関連ビジネスが、好調で計画を上回っている。三菱電機インフォメーションネットワーク(MIND)は、セキュリティー分野が伸長している。また、パッケージビジネス主体の三菱電機ITソリューションズ(MDSOL)も計画通り堅調に推移しており、グループ各社は、それぞれの得意領域を伸ばしている。
三菱電機は、ありたい姿として「循環型 デジタル・エンジニアリング企業」への変革を掲げている。この変革を加速するため、4月に三菱電機本体にあるIT関連部門(ITソリューションビジネス・業務改革推進本部)を分社化し、その新しい会社にMDIS、MIND、MDSOLのITグループ3社を吸収、統合する。
三菱電機では、デジタル基盤「Serendie」を活用、お客さまのデータをセキュアな状態で預かり、連携・融合することで、新たな価値を生み出し、社会課題に貢献していく循環型 デジタル・エンジニアリングを推進している。三菱電機全体が、Serendieを活用して、密に連携することで、より大きな成長をしていく必要がある。三菱電機本体と、3社の四つの事業体の統合で、DX・IT施策、Serendie関連事業への対応力強化を目指している。
社名は「三菱電機デジタルイノベーション」に決定した。従業員数は、約6000人。現状の売り上げ規模は、1500億円程度だが、当然、3000億円企業を目指さなければいけない。現在、新しい会社としての経営目標、事業戦略を計画中だ。人材戦略は特に重要だ。デジタル人材投資を積極的に行っていく。また、人材のグローバル化に取り組む。三菱電機の売上高は、既に50%以上が海外となっている。
パートナー連携の強化やM&Aなども視野に入れた取り組みを強化していく必要がある。
三菱電機グループは、社会・環境を豊かにしながら事業を発展させる「トレード・オン」より、サステナビリティー実現を目指している。Serendieを成し遂げていくことが、SDGsにつながると考えている。