2025.01.21 【半導体/エレクトロニクス商社特集】半導体 各社の25年事業戦略 ディジ インターナショナル日本法人 江川将峰社長

江川 社長

LTE、サブギガモジュールに重点

 米ディジ インターナショナルは、無線技術を駆使したモノのインターネット(IoT)コネクティビティー製品のリーディングカンパニー。製品の遠隔管理などクラウドサービスも拡大する。

 2024年度(23年10月~24年9月)の売上高は4億2400万ドルと過去最高だった前年度に比べて5%減。日本法人の江川将峰代表取締役社長は「コロナ禍で顧客のリードタイムが長くなった際、先行した大きな出荷が落ち着いたが、クラウドサービスは伸びた」と話した。

 クラウドサービスは23年にルーターなど完成品に加え、組み込みモジュールが対応。24年10月には遠隔管理にカスタマーケアや保証を組み合わせた「Digi 360」も発表しており、完成品に付帯させる。機器搭載ソフトウエアの遠隔更新需要が後押しだ。

 製品面では、LTE方式の通信モジュール「XBee(エックスビー)3 Global LTE」で24年に日本の電波法認証を取得。LTEカテゴリー1、4、LTE-Mの規格に準拠した評価キットを出荷している。

 920メガヘルツ帯、サブギガ対応の「同XR 920」も24年に出荷を始めた。独自の「DigiMesh」方式でメッシュネットワークを構築でき、「長く顧客に待たれていた製品」(江川社長)。

 サブギガ製品は改良を予定し、ブルートゥースやプログラミング言語MicroPythonへ対応させる。

 システムオンモジュール「ConnectCore(コネクトコア)」シリーズは、オランダのNXPセミコンダクターズ、スイスのSTマイクロエレクトロニクスのプロセッサー搭載製品を拡充した。

 早ければ25年に新パートナーのプロセッサーを搭載し、より人工知能(AI)に焦点を合わせた製品も投入する。

 25年度通期の売上高は前年度比10~20%増も視野だ。江川社長は日本での戦略を「24年露出を増やしたXbeeシリーズがメイン」とした。サブギガ製品の顧客は25年中に量産に入ると期待する。