2025.02.10 宇宙エレベーター構想も 都内で「宇宙会」 宇宙ビジネスの入り口に

第8回日比谷宇宙会が開催された

セミナーの様子セミナーの様子

 東北大学発の宇宙スタートアップのElevationSpace(エレベーションスペース、仙台市青葉区)は7日、東京都内で「第8回日比谷宇宙会」を開催した。民間企業による宇宙ビジネスのセミナーやビジネスマッチングの場として100人ほどが参加。日比谷・名古屋宇宙会の発起人であるエレベーションスペースの大川創富一氏は「開催するたびに参加企業の種類の幅が広がっている。宇宙ビジネスへの関心を民間企業に啓発したい」と話した。

 セミナーには、航空機内装品のノウハウを生かして有人宇宙機内装品への展開を目指すジャムコや、宇宙インフラ開発や有人宇宙サービスを提供する米アクシオム・スペース、超小型人工衛星を開発する早稲田大学理工学術院の宮下朋之教授など、宇宙事業を展開する企業などが多く参加した。

 ティッシュペーパーや大人用紙おむつを販売するカミ商事(愛媛県四国中央市)は、自社開発した新素材「アモルセル」を紹介。木製セルロース繊維を、結晶構造を持たない状態にし、強靭(きょうじん)性や高い脱炭素量などを実現した。宇宙分野では人工衛星部材や筐体(きょうたい)素材としての活用を提案する。

 ゼネコン大手の大林組は宇宙事業の取り組みを紹介。ゼネコンならではの発想で挑む宇宙エレベーター建設構想は、静止軌道上の上空3万6000キロメートルから宇宙側と地球側に伸ばしたケーブルで、上空9万6000キロメートルと地上をつなぎ、人や物資を輸送できるようにするものだ。地上には発着点のアース・ポート、静止軌道上には静止軌道ステーションをつくる。登壇した技術本部未来技術創造部の渕田安浩担当部長は「宇宙への交通手段の一つになる。静止軌道ステーションより高い位置から月に行ったり火星に行ったりできる」と説明した。