2025.02.18 東京―大阪間で遠隔手術支援システム臨床試験 NHK財団と国立がん研究センター、8K技術とローカル5G活用

遠隔で指導する森谷医師遠隔で指導する森谷医師

臨床試験で設置されたローカル5Gの基地局臨床試験で設置されたローカル5Gの基地局

 NHK財団と国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)は13日、8K技術とローカル5Gを用いて腹腔(ふくくう)鏡手術を遠隔地から支援するシステムの臨床試験を実施した。

 ソフト産業プラザ TEQS(大阪市住之江区)とがん研究センター中央病院を結び、将来の医療用通信インフラで使用が期待されているローカル5Gを通信回線の一部に導入し、超高精細の8K映像を医療伝送用として使用できるかを検証した。

 午前9時半過ぎに始まった大腸がんの腹腔鏡手術では、TEQSの会議室に設置された大型画面に8Kカメラ搭載内視鏡による手術の様子が映し出された。大阪へ出向いた同病院大腸外科の森谷弘乃介医師が、指導医として手術室から送られてくる映像を見て、映像と音声で東京側とコミュニケーションを取りながら、タッチペンで切除位置などを画面に表示して指示した。

 今回の臨床試験で有効性や安全性が確認できれば、外科医不足に悩む地方病院での活用の可能性が出てくる。都会との手術技術の格差解消につながるとの期待も大きい。(19日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)