OKI、損害保険ジャパン（損保ジャパン）、SOMPOリスクマネジメント（SOMPOリスク）は、洋上風力発電所の海底電力ケーブルに対するリスク評価と事故による損害軽減を目的とした海底電力ケーブルの異常予兆検知に関する検討を開始した。洋上風力発電所の普及を促進し、カーボンニュートラル社会の実現への貢献を目指す。

　脱炭素社会の実現に向け、周囲を海に囲まれた日本では、洋上風力発電事業の発展が期待されている。一方で、洋上風力発電の導入が進んでいる欧州では、埋設した海底電力ケーブルが露出することによる断線などの事故が発生しており、事業の安定運営における重要な課題となっている。

　こうした課題を解決するため、OKI、損保ジャパン、SOMPOリスクの3社は、海底電力ケーブル内の光ファイバーを活用した異常予兆検知に関する検討を開始した。

　OKIは、海底電力ケーブルの周囲の温度や音響（振動や音）の変化を光ファイバーセンサー技術により広範囲に測定する。埋設状態や船舶がいかりを下ろすことによる振動、底引き網漁の振動などによって異常が発生した箇所をリアルタイムで検知・発報することで、海底電力ケーブルの異常箇所を容易に把握することができる。海底ケーブルの状態把握にかかるメンテナンスコストを大幅に削減することに加え、既存のケーブルを使用することによって導入コストを抑制することも可能になる。

　損保ジャパンとSOMPOリスクは、洋上風力発電所が安定的に電力供給を行うために、OKIの技術を活用し、洋上風力発電設備のリスクを適正に評価し、洋上風力発電事業者への事故抑止および被害軽減に向けたアドバイスの提供や、異常予兆検知サービスを付帯した新たな保険商品の開発などの検討を進めていく。

　3社は、二酸化炭素の排出が極めて少ない洋上風力発電事業の普及を促進することで、持続可能な社会の実現に貢献していく。