2025.02.28 【開発のキセキ㊤】メディカルファンデーション 電動ミル型かつお節削り機 「BUSHI」 溶ける新食感

本体に本物の木を使うことにこだわったBUSHI

専用のかつお節スティックは、専用ホルダーにセットして使う専用のかつお節スティックは、専用ホルダーにセットして使う

 冷ややっこにひとつまみ――。少しまぶすだけで香ばしく、噛みしめると出汁の味が染み出るかつお節。そんなこだわりの味を自宅で手軽に再現できる小型家電がある。

 メディカルファンデーション(静岡県清水町)が開発した電動ミル型かつお節削り機「BUSHI(ブシ)」だ。操作は簡単で、まず専用のかつお節スティックを筒状のホルダーに装着し本体に挿入。続けて上部のスイッチを指で軽く押すだけで、その力加減に応じて自動で削ってくれる。

 ホルダーにセットするため、スティックを最後まで削ることはできないが、残った食材を水に浸すと出汁が取れる。

 硬さのあるかつお節を削るため、ブシには電動ドリルほどの出力のモーターを採用。刃の素材は節の塩分でさびないようステンレスを用い、鉄よりもメンテナンスの頻度を抑えられるようにした。

 ブシで得られた削り節の味も絶妙だ。ふわりとした食感で、口の中に入れると、かつおの風味が広がって溶けてくる。

 一般的なかんなで削る場合は、かつお節の筋と並行に削るため薄いシート状になる。ブシは、かつお節の筋に対して直角に削り繊維を断ち切ることで「溶ける食感」を堪能できるようにした。

 工夫はそれだけではない。柔らかな削り節が得られるよう、かつお節スティックを真空パックで個別包装し乾燥部分をなくした。つながった削り節の仕上がりにすることで、風で飛ばされないようにしたことも特徴だ。

 当初は市販の削り節よりも薄くすることを目指していたが、一般家庭で使う場合、空調などの風で削り節が飛散しやすく、山のように盛ることに時間がかかってしまう。そこで薄さだけを極めるのではなく、日常使いできるモノを目指した。

 開発者の廣岡喜代人CEO(最高経営責任者)は「卵かけご飯やインスタントのカップ麺、みそ汁でも3秒ほどかけるだけで変わる」と力を込める。

(つづく)