2025.03.26 【関西エレクトロニクス産業特集】大阪・関西万博に寄せて 近畿経済産業局 信谷和重局長

大きなビジネスチャンス

日本の技術や文化を世界に発信

 2025年の大阪・関西万博の開幕まで、いよいよ残り1カ月を切った。4月13日から10月13日までの184日間にわたり、大阪市臨海部に位置する夢洲にて開催され、会期中は約2820万人、うち海外からは350万人の来場が見込まれている。万博会場では社会課題を解決する新技術やサービスが披露され、来場者の皆さまがそれらを実体験できる場となっている。

 また、会場内のみならず、周辺各地の産業や文化に触れ、地域の素晴らしさを感じていただく絶好の機会となることから、関西全体にとっても万博は大きなビジネスチャンスとなる。そのような状況のもと、近畿経済産業局では、万博来場者が地域を訪れ、関西全体が活気づくよう施策を講じている。

 例えば、国内外の万博来場予定者に対して、万博のテーマに関連した日本各地の体験や過ごし方を提案し、各地域への誘客を促す万博観光ポータルサイトとも連携しながら、管内の産業体験施設や地域ブランドなどのツアー・コンテンツ情報の発信や商品化の取り組みなどを進めている。

 また、万博を契機に増加が見込まれる海外ビジネスミッション団と日本企業とのビジネス交流を円滑に進めるため、9機関が連携して「大阪海外ビジネスワンストップ窓口」を設置し、各国大使館などの外国公的機関からの相談に基づき、ビジネスイベントの開催支援や企業・産業施設の視察支援などを実施している。

 さらには、ものづくり企業が生産現場を外部に公開し、来場者にものづくり体験などをしてもらう「オープンファクトリー」にも取り組んでいる。万博を契機に世界中へ日本のものづくりの素晴らしさを当該事業を通じて発信するため、オープンファクトリー実施企業・地域や外部機関とも連携し、Co-Design Challenge 2024の取り組みをはじめ万博会場から各地へ誘客する準備を進めている。

 加えて、近畿経済産業局では、万博会場内でのイベント開催の準備も進めており、今回は二つの取り組みを紹介する。

 ▽「Japan Expo Paris in Osaka 2025」ではJapan Expo Paris in Osaka 2025実行委員会との共催で、4月26、27日の2日間、EXPOアリーナ「Matsuri」とEXPOメッセ「WASSE」にて、日本が世界に誇るアニメなどのコンテンツと伝統工芸をはじめとするものづくりの技とを連動して体感・体験できる展示・ショーイベントを開催する。両会場にて海外来場者の反応を目の当たりにすることで、世界視点のCOOL JAPANを発見し、国内出展者・来場者が新たな価値を生み出すことを大きな狙いとする。

 ▽「Global Startup EXPO 2025」では9月17、18日の2日間、EXPOメッセ「WASSE」にて、世界中からスタートアップ関係者を呼び、スタートアップが地球規模の課題解決に果たす役割について対話・交流し、解決策を模索する国際的スタートアップイベントを開催する。本イベントを通じて、日本・関西の優れたディープテックなどのスタートアップの技術・サービスを世界に発信する。

 また、10月の万博終了後も、関西が世界から注目を浴びる地域であり続けるために、関係企業や機関が連携して、万博で披露された水素や空モビリティなどの未来社会のショーケースを社会実装、あるいは万博で開催されたスタートアップなどのイベントを継続・発展させ、関西経済、ひいては日本経済発展の原動力としていくことが重要である。