2025.04.10 岐路に立つメインフレーム  IBMはAI対応の次世代機投入 富士通は30年度に撤退を表明  

IBMの次世代メインフレーム「z17」

 メインフレーム(大型汎用〈はんよう〉コンピューター)を巡り、IT各社が岐路に立っている。日本IBMは9日、次世代メインフレーム「z17」を発表した。ハード、ソフト、システム運用の全てにAI(人工知能)機能を備えた最新モデルを投入し、今後もメインフレームへの投資を拡大する方向を明確に打ち出した。一方、富士通は2030年度にメインフレーム事業から撤退することをを表明。市場環境は転換期を迎えた。

 IBMのz17は、IBMの新型プロセッサー「Telum Ⅱ」を搭載してAI推論処理能力を大幅に向上させた。最新の5ナノメートルテクノロジーを採用し、5.5ギガヘルツのCPU(中央演算処理装置)コアを1チップ上に八つ備える。CPUコア単体の性能は前モデルのz16と比べて11%向上し、データを一時的に保存するキャッシュ容量も40%増加した。

 同プロセッサーには、出入力を管理するI/O処理を最適化する「データプロセッシングユニット(DPU)」をCPUチップ内に統合。I/Oカードに依存してきた従来の設計から脱却し、消費電力の削減やI/Oカードごとのポート...  (つづく)