2025.04.16 【探訪】 NEDO、スタートアップ支援でも存在感 投資家と密に連携する異色の公共機関
新技術や新発想を産業へ開花
日本の半導体産業の拡大を担うRapidus(ラピダス)などへの兆円単位の支援の窓口として話題の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)。その役割は巨大プロジェクトにとどまらない。大学や専門学校、企業から生まれる新技術や新発想を産業へと開花させるスタートアップ支援事業にも取り組んでいる。
同事業には経済産業省の「ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)」に関する基金1000億円などを生かす。羽田昇平スタートアップ支援部長は「スタートアップ支援の予算としては大きいが、ほか(の基金)が兆円単位なのでかすんでしまっている」と語る。スタートアップ支援部は2024年に組織改編で誕生。それまでのイノベーション推進部から改称した。起業前から、起業後の投資資金を回収可能にする出口(イグジット)まで、段階を踏んで手助けする。
起業前からイグジットまで支援
スタートアップの成長段階は一般的に、プレシード期、シード期、アーリー期、ミドル期に区分される。NEDOでは最初期のプレシード期に対し、「ディープテック分野での人材発掘・起業家育成事業(NEP)」で「開拓コース」「躍進コース」を用意。開拓コースは、起業を志す個人およびチームに300万円まで助成し、起業やベンチャーキャピタル(VC)経験のある人材が伴走支援者となり、事業モデルの構想と洗練を促す。躍進コースでは3... (つづく)