2025.04.30 在庫管理、手作業が3割弱 電子部品の表面実装 JFE商事エレ

在庫管理方法の現状

オペレーション面における在庫管理の課題オペレーション面における在庫管理の課題

管理面での課題管理面での課題

 JFE商事エレクトロニクスは、半導体や電子部品をプリント基板に実装するSMT(表面実装技術)工程の在庫管理と生産性向上に関する実態調査を実施した。2025年2月13日から25日にかけて、顧客の中から基板実装工程に従事する担当者を対象に行ったもので、回答企業の約9割が何らかの課題を抱えている実態が明らかになった。

 調査によると、SMT工程の在庫管理方法では「一部システム化」が58%で最多。完全自動化は11%にとどまり、「手動管理」が27%を占めるなど、対応状況にばらつきが見られた。

 オペレーション上の主な課題としては、部品の検索や取り出しの非効率さが全体の18%を占めたほか、保管スペースの制約や、正確な在庫把握が困難という声も多かった。特に、多様な部品の統合管理への課題感が浮き彫りに。キャリアテープに個別封入されてリール状に巻かれた「リール部品」や、トレーに個別封入される「トレー部品」、バラバラにまとめられた「バルク部品」など包装形態の違いが管理の複雑化を招いているようだ。

 品質管理では、温湿度や使用期限の管理なども重要視されており、在庫管理の高度化が求められている。生産性向上では、「工程の見直し・改善」が25%、「DX・自動化の推進」が23%を占めた。

 一方、DX推進で重要なのが管理システムの導入。導入で重視する点は、初期コストや既存システムとの連携、操作性・使いやすさ、投資対効果の明確性などが挙げられた。

 JFE商事エレクトロニクスは、調査を通し、在庫管理と生産性向上には技術的な解決策だけでなく、人材育成や運用体制を含む総合的な取り組みが不可欠と指摘。省人化・自動化の実現に向けて最適な技術を取り込み、自社に合った「スマートファクトリー」化が鍵になるとしている。

<執筆・構成=半導体ナビ