2025.04.30 「レグザ」の電子黒板 デジタル化進む学校で活躍 「高画質と立体音響」を武器に
電子黒板に力を入れるレグザ
「REGZA(レグザ)」ブランドのテレビを販売するTVSレグザ(川崎市)は、高精細な4Kの解像度に対応した電子黒板の展開を加速している。テレビ事業で培った経験を生かし、成長が見込まれる「ICT教育」市場の開拓に注力。教育分野でも「映像機器メーカーとしてナンバーワンを目指したい」と意欲を示す。
TVSレグザが教育分野向けに販売する製品は、米グーグルのOS(基本ソフト)「アンドロイド」を内蔵した4K液晶の多機能電子黒板「レグザキャンバス」だ。画質と音質にこだわるテレビメーカーの優位性を発揮し、教育現場への導入実績を着々と積み上げている。
市場開拓で売りとする特長の一つが、輝度が高い画面で、明るい環境でも鮮明に映像を見ることができる。高音質化の技術も採用し、デジタル教材ならではの音声コンテンツを損なうことなく授業に生かせるようにした。
さらに、スマートフォンやタブレットなどにアプリをインストールすれば、無線で電子黒板に接続して各機器の画面を表示。例えば、複数の生徒の回答を一度に表示して比較できる。
2019年に前身となる東芝映像ソリューションが初めて電子ホワイトボードを発売。21年には、レグザというブランドを冠した電子黒板を発売した。以来、ラインアップを強化し、サイズを75型まで大型化してきた。
電子黒板市場への参入は後発となるTVSレグザだが、民生用テレビの画質や音質を追求してきた実績を土台に、市場開拓に力を入れている。
今月には、東京都江東区の東京ビッグサイトで23~25日に開かれた「第16回 EDIX(教育総合展)東京」に出展。電子黒板などを教育関係者にアピールした。教育分野でデジタル化が進む動きを追い風に、電子黒板事業の拡大を狙う考えだ。
ビジネスソリューション部商品企画の大久保克明主務は「教室は広いため、遠くからでも見やすい必要がある」と、高画質化を通じて授業の質向上を後押しする姿勢を強調。同部セールスマーケティングの高木正博参事はテレビ事業で培った供給面の強みに触れ、「部材調達能力を生かせる」と力を込めた。電子黒板市場を巡る今後の挑戦からも目が離せない。