2025.05.07 AIが半導体薄膜の材料分析、成膜条件の自動化に成功 NTT

光通信用機器製造のコスト削減へ

 NTTは2日、光通信用デバイスに用いる半導体薄膜の成膜条件(原料ガス量)を、人工知能(AI)を用いて自動で導出する新技術を開発したと発表した。光通信用デバイスの製造に必要な試行回数を大幅に削減し、製造コスト削減が期待される。目的とする組成の半導体薄膜を効率的に成膜することで、熟練技術者の経験に依存していた工程のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する。

 NTT先端集積デバイス研究所が開発した「物理知識導入型ベイズ最適化(Physics-informed Bayesian Optimization=PI-BO)」という機械学習エンジンに基づく技術で、従来のベイズ最適化手法に、半導体物性に関する物理法則を組み込んだ。光通信用に広く使用される化合物半導体「インジウムガリウムヒ素リン(InGaAsP)」の結晶組成と、成膜時に投入する原料ガス量の関係を線形性と経験則に基づいて高精度に予測可能になった。

 従来のベイズ最適化では、予測精度が低く、目標にたどり着くまでの装置の稼働が増加する上、測定可能な物理量と原料ガス量を未...  (つづく)