2025.05.09 ファウンドリー再起へ インテル、27年にも1.4ナノ生産へ
「14A」について説明するタンCEO(出所:インテル)
インテルが、半導体受託製造(ファウンドリー)事業の巻き返しを狙っている。生成AI(人工知能)向けの先端需要が拡大する中、出遅れが指摘されていたプロセス技術での再起をかけ、戦略強化を打ち出した。4月29日(米国時間)に米カリフォルニア州サンノゼで開催した自社イベント「Intel Foundry Direct Connect」で、次世代製造技術のロードマップを発表した。
リップ・ブー・タン最高経営責任者(CEO)は、1.4ナノメートルプロセス「14A」の試作開始を見据え、パートナー企業と顧客の獲得に向けた準備を進めていることを明らかにした。現行の「18A」プロセス(1.8ナノメートル相当)は2024年末の量産を予定し、ゲート・オール・アラウンド(GAA)構造「RibbonFET」と、業界初のバックサイド給電「PowerVia」を活用した「PowerDirect」により、省電力と高性能を実現する。
18Aには、幅広い用途に対応する「18A-P」と、AIや高性能コンピューター(HPC)に特化した「18A-PT」の2つがある。18A-PTは、3D実装技術「Foveros Direct」に対応する。インテル・ファウンドリーのナーガ・チャンドラセカラン最高技術責任者(CTO)は「25年後半に生産が可能になるよう進めている」と述べた。14Aは、27年頃の少量生産開始を計画する。
アリゾナ州の工場「Fab 52」では初のウエハー処理が完了し、年内に18Aの量産が始まる見通し。米オレゴン州との2拠点体制で、研究から製造までを国内で完結させる。
地政学的リスクやサプライチェーンの再編が進む中、インテルは米国を軸とした製造体制の確立を急ぎ、グローバルでの競争力を高めていく方針だ。
<執筆・構成=半導体ナビ>