2025.05.28 【JECA FAIR特集】AIやIoT活用で課題解決 省力化、省施工、脱炭素へ

 電気設備・工事業界は、送電網や電線、配線、電気設備などの工事で生活に欠かせないインフラを支えている。しかし一方で、製品価格の上昇や従業員の高齢化、若手入職者の減少による労働力不足など厳しい状況が続いている。

高水準が続く

 国土交通省の受注高調査(4月30日発表)によると、電気工事の受注高は2024年4月~25年2月で前年同期比14.9%増の2兆308億円(速報値)だった。受注額は22年度から伸長し続けている。また、昨年10~12月の手持ち工事高も1兆8462億円と高い水準をキープしている。

 電設業界では、省力化・省施工につながる製品の投入や脱炭素社会に向けた設備や機器の開発、AI(人工知能)やIoTを活用した電気設備の提案など、業界の課題解決につながる取り組みを推進している。特に人手不足への対応、カーボンニュートラルに向けた機器対応などは喫緊の課題だ。

 各社の製品やシステム、ソリューションには、「配線レス」「ねじレス」「無線接続」「ワンタッチ」「スマート設定」など、現場の作業効率化に欠かせないキーワードが散りばめられている。

 脱炭素化では電気を賢く使う機器や、電力の見える化、IoT化では他社製品との連携が可能なものも登場している。

 業界では2年後に生産中止となる蛍光灯照明器具からLED照明器具への入れ替え需要のほか、次世代製品冷媒の環境規制と省エネ基準の見直しで、現行機種の一部のエアコンがなくなり、販売価格が上昇する「エアコン27年問題」など需要拡大の素地がある。

 これらの需要を取り込むためにも業務の効率化は欠かせない。施工時間の短縮や作業負担の軽減につながる機器、入職者がスキルレスでも施工できる技術などを導入することが、今後の展開につながりそうだ。