2025.06.02 「冷凍フライを手軽に揚げる」 パナソニックが加熱技術駆使のスチームオーブンレンジ投入

手間なく揚げ物を調理できる 「ビストロ NE-UBS10D」

調理中の困りごとを相談できる「Bistroアシスタント」の画面調理中の困りごとを相談できる「Bistroアシスタント」の画面

 未加熱の冷凍フライをおいしく揚げられる――。パナソニックはそんなスチームオーブンレンジを発売した。フライに油をつけてレンジ内のグリル皿に並べるだけで、自動的に揚げられる機能を新たに搭載した。物価上昇や調理時間を省くニーズの高まりを背景に拡大する冷凍食品の需要に応える。

 今回発売した新製品は「スチームオーブンレンジ ビストロ NE-UBS10D」。市販の冷凍フライも手軽に揚げられる「おまかせ熱風フライ」を新たに採用するとともに、食材をボウルに入れて加熱する「ワンボウル調理」にスープを追加した。価格はパナソニックオンラインサイトで税込み15万8400円。

 目玉は、3つの熱源を組み合わせた点。大火力で表面を「サクッ」と揚げる「大火力極め焼きヒーター」と熱風で衣全体を包み込む「コンベクションヒーター」、食品内部の温度を上げて底面を焼く「ヒートグリル皿」だ。

 具体的には、レンジ内の背面にあるコンベクションヒーターのワット数を固定しないで、300~1380Wという幅で変動させた。天面にある平面ヒーターと、マイクロ波で温まったヒートグリル皿からの熱を組み合わせることも特長だ。

 こうした仕組みで、多彩な冷凍食品をおいしく揚げられるようにした。くらしアプライアンス社の電子レンジ技術部主任技師の細川周子氏は「何にでも対応できるようにすることがハードだった」と開発当時を振り返る。

 例えば、コロッケの具材であるジャガイモが柔らかく崩れてしまうという課題があったが、50種類の市販品を取り寄せて試行錯誤を重ねてクリアした。

 ビストロの初代が誕生したのは2006年。以来、冷凍食品の調理加熱を追求し、改良を重ねてきた。4月には、毎日の調理をサポートするサービス「Bistroアシスタント」を開始。LINE(対話アプリ)の公式アカウント上でチャットすると生成AI(人工知能)が即座に認識し、最適なレシピを提案したり、調理中の疑問に応対したりしてくれる。

新製品の威力を体験

 記者もビストロの新機能を実際に体験した。まず市販の冷凍フライをヒートグリル皿に並べて油を塗り、「熱風フライ」で時間を設定してスタートボタンを押すとサクサクとした食感の揚げ物が完成した。

 そこで使う油の量は鍋で揚げる場合に比べて少なく、ヘルシーに仕上げられた。スマートフォンでフライをスキャンし、調理時間をビストロに送信する「おまかせ熱風フライ」の機能を使うことも可能という。

 さらに、冷凍フライをむらなく均一に温めるビストロの威力も体感した。厚みのあるフライドポテトであっても、中までしっかりと加熱されていた。

 スープや副菜をボウルに入れてレンジで加熱するだけという手軽さも売り。調理後にグリル皿を洗うだけで済むことに魅力を感じた

 日本冷凍食品協会の調査によると、冷凍食品の消費量は増加傾向にある。利用頻度は男女ともに「週2~3回程度」が最も多く、調理の手間を省け取り置きできる点などを評価する人が多かった。

 手軽に揚げ物調理を楽しめるようにするビストロは、忙しい現代人の強い味方となりそうだ。