2025.06.30 会議室にいながら森林浴 フォレストデジタルが都内に没入体験ルーム

森林に包まれるような体験を味わえるショールーム「uralaa shirokane」=東京都港区

報道関係者もショールームで大自然を疑似体験した報道関係者もショールームで大自然を疑似体験した

ショールームで事業戦略を説明する辻木社長ショールームで事業戦略を説明する辻木社長

 窓がない会議室でも大自然の中にいるかのような体験を味わえる――。東京都港区に、そんな没入体験を満喫できるショールーム「uralaa shirokane(ウララ・シロカネ)」が誕生した。仕掛けたのは、仮想現実(VR)サービスなどを提供するフォレストデジタル(北海道浦幌町)だ。

 今回のショールームは、360度カメラなどで撮影した自然風景や観光名所の映像を壁や天井に投影する仕組みを採用。専用のゴーグルを装着しなくても、圧巻の映像美に包まれる体験を満喫できる。

 空間づくりでは、「正面」「左右面」「天井」「背面」という5面にマルチスクリーン映像をクラウド経由で配信する技術も威力を発揮する。

 同社はショールームを報道関係者に公開。実際に体験すると、森林に囲まれているような感覚を味わえ、リラックスできた。

 常設展示した空間は、少人数で没入体験を満喫できる「uralaa yojo-han(ウララ・四畳半)」と、人と人がつながる公園をテーマとした「uralaa park(ウララ・パーク)」。まずは、これらを企業や団体を対象に提供する。

 映し出す映像は、事前に用意したコンテンツにとどまらず、ライブ映像も扱えるようにする予定だ。第1弾として、「uralaa immersive LIVE」と銘打ったイベントを8月13日に開催。同日に帯広市で開かれる「勝毎花火大会」の様子をライブ配信する。

 同社は「非日常を日常に」というテーマを掲げ、身近な狭小空間で没入体験を味わいたいというニーズを開拓することにも意欲を示した。代表取締役CEOの辻木勇二氏は「イマーシブ(没入体験)のトップランナーでありたい」と力を込めた。

 同社はデジタル技術を用いて森や自然の価値を共有しようと設立したスタートアップで、21年に没入できる自然空間を創出する世界初のサービス「uralaa」の販売を開始。オフィスから医療・福祉や教育に至る多彩な分野にサービスを展開し、40の導入実績を積み上げている。