2025.07.08 【家電総合特集】冷蔵庫 最新型、冷凍・冷蔵技術が進化 IoT活用で食品ロス削減も

夏商戦本番を迎え、冷蔵庫の商戦も本番を迎える

 冷蔵庫は、物価高を背景に個人消費の伸びが懸念される一方、電気代高騰による節約・省エネニーズは高まっており、消費電力の多い冷蔵庫の省エネを中心として、買い替え訴求はユーザーにも説得力を持つ。

 最新冷蔵庫の省エネ性や収納性の向上など使い勝手の進化で、需要喚起につなげやすい訴求材料も充実している。

 冷蔵庫の市場は、2024年度の出荷台数が前年度比94.5%の325万4000台(日本電機工業会まとめ)にとどまり、4年連続のマイナス成長と厳しい展開だ。

 ただ、25年度に入ってからは、4~5月累計出荷台数は前年同期比108.4%(庫内容量401リットル以上の大型は同104.9%)と、立ち上がりは順調だ。

 6月に入ってからの猛暑到来で、今年は商戦も前倒しで推移しそうだが、そろそろ買い控えていたユーザーが、最新冷蔵庫に買い替える動きも出てくる可能性もある。

 消費者の節約・省エネニーズはより高まっていることは事実で、買い替えサイクルが長期化するなかで、省エネ性に優れた最新冷蔵庫の提案には好機でもある。

 冷蔵庫の最新モデルでは、冷蔵・冷凍技術の進化で、鮮度保持性能が向上するほか、センサーと連動して最適な冷蔵・冷凍制御を図るといった省エネ性の確保など、ユーザーにとって使い勝手がよい機能が進化している。

 こうした特長を訴えながら、買い替え需要の喚起を図ることが夏商戦活性化の鍵を握りそうだ。

 最新冷蔵庫では、急速冷凍など冷凍技術や、食材の新鮮さ・おいしさを長く保つ冷蔵技術が進化している。

 近年では、カメラ機能を搭載して、庫内の食材を適切に管理するIoT機能による食品ロスの削減など、より環境に配慮した技術も進む。

 また買い替えユーザーにとって重要なのは設置性だ。今まで使っていた冷蔵庫スペースに、そのまま置けて、なおかつ収納性は向上する大容量・コンパクト設計を採り入れた商品戦略も進む。

 奥行きが薄くなることで、冷蔵室奥にしまった食材を見つけやすくなり、廃棄ロス削減につながるという面もある。

 総務省の調査によると、日本の住宅面積は13年以降減少傾向にあるという。こうした中で、キッチンスペースにおいて最も占有面積の大きい冷蔵庫の設置性、コンパクトかつ大容量は、ユーザーに対して大きな訴求ポイントとなる。

 共働き世帯の増加を背景に、まとめ買いが増え、冷凍食品の買い置きも増えているなか、なるべく多くの食材を収納したいというニーズは強く、買い替え需要を喚起する訴求ポイントの一つとなりそうだ。

 一方で、近年2人暮らし、単身など少人数世帯が増えていることも事実で、こうしたユーザー層に合った300~400リットルサイズの商品戦略についても、活発になりそうだ。