2025.07.08 【家電総合特集】ルームエアコン 省エネ機種への買い替え訴求 快適・清潔・便利もキーワード
梅雨明けが早く、エアコン商戦が本番を迎えた
ルームエアコンは2024年度、猛暑、残暑が厳しく、冬場の寒さもあって、通期では前年度比107.3%の941万4000台(日本冷凍空調工業会調べ)と、4年ぶりのプラス成長となった。これにより、エアコン市場では再び900万台市場に戻り、今後も高水準での推移が期待される。
25年度に入ってからも、出荷の出足は好調で、4~5月累計では前年同期比109.9%と2桁近い伸長となっている。業界挙げて、エアコンの早期試運転推奨の活動も手伝い、5月単月では19年5月に次ぐ過去2番目の出荷台数になった。
また、6月に入り異例の早さで梅雨明け(西日本)したことで、本格的な暑さが到来し、店頭での実需が早くも拡大し、エアコン商戦は加速している。今年も、現在までの天候要因をみると、エアコン商戦にはプラス効果が見込めそうな気配だ。
業界として商戦の集中は避けたいところだが、省エネエアコンへの買い替え提案に力を入れるなど、付加価値の高いビジネスを進め、加速する商戦に臨む必要がありそうだ。
今年は、依然として物価高騰が厳しく、エアコン商戦にも大きく関係する電気代高騰は、ユーザーにとっての大きな悩み。
体温を超えるような猛暑日となる地域もあるなど厳しい暑さに見舞われるなか、近年エアコンの稼働時間・日数が増加しており、家庭の中で最も電力消費が多いルームエアコンでは、引き続き省エネ・節電が大きなキーワードとなる。
大半のユーザーが、電気代高騰への負担を感じており、節電・節約への関心が高まる。ルームエアコンについて、各社の25年モデルでは、こうしたユーザーの悩みに応えて、省エネ機能の進化に力を入れている。
節電のため、エアコン冷房を控えたいと考えるユーザーも少なからず存在するなかで、熱中症対策として効果的なエアコン冷房の利用をいかに推奨していくか、業界全体にとっても大きなテーマとなっている。
解決策の一環として、省エネエアコンへの買い替え訴求は重要だ。とりわけ、買い替え時期を迎えているユーザーも数多く、こうしたユーザーに対して最新省エネエアコンの性能をしっかり訴求することが、ユーザーの買い替え意欲を高めることにつながる。
最新モデルのランニングコストの比較や、人工知能(AI)を利用しボタン操作一つで自動的に省エネ制御する、といった機能面での提案など、買い替えを控えたユーザーを説得する材料は多い。
近年市場では、着実に省エネに優れた中高級モデルの販売が高まっており、今期に入っても、出荷台数より出荷金額の伸びが上回っている。省エネをはじめ、快適、清潔、便利といったユーザーに寄り添う商品開発に各社力を入れており、成果は上がり始めている。
夏商戦本番では、機能より価格優先の傾向が本来強いが、今夏商戦では、省エネモデルへのランクアップ提案がより重要性を帯びている。