2025.07.17 バレンズ製「MIPI A-PHY」対応の画像処理 D3が市場初のプラットフォーム
D3はカメラと併せA-PHYのプラットフォーム全体の発表に至った
イスラエルのファブレス半導体メーカー、バレンズ・セミコンダクター(バレンズ)の製品が、組み込み機器向けにハードウエア・ソフトウエア統合ソリューションを手がける米国のD3エンベデッド(D3)に採用された。バレンズが強みを持つ長距離向け高速通信規格「MIPI A-PHY」(ミピ・エーファイ)対応の通信半導体を使った組み込み画像処理システムで、製品化済みソリューションは初めてとなる。
バレンズのA-PHY向けチップセット「VA7000」シリーズを、D3のA-PHY対応プラットフォームに組み込む。A-PHYは、カメラのセンサーデータをはじめ、映像のような高帯域幅が必要になるデータを、高速・安定的に長距離伝送できる通信規格。バレンズのコア技術を基に開発された自動車分野向け標準規格としての普及が期待される。
VA7000は、10~40メートルの距離を4~8ギガビット毎秒(Gbps)という通信速度で伝送。ノイズキャンセル、エラー訂正、データ再送といった機能を搭載し、ノイズに強いことも特徴だ。
D3のA-PHY対応プラットフォームは、米エヌビディアのエッジAI(人工知能)向けSoC(システム・オン・チップ)モジュール「Jetson Orin」をプロセッサー側に搭載。8つのA-PHY入力ポートを備える。同社はすでにA-PHY対応カメラを開発していたが、今回で「フルA-PHYプラットフォーム」が完成する。医療、ロボティクス、自動車、航空宇宙、防衛、テーマパークなどの用途を想定する。