2025.08.29 LINE WORKS 「次の10年」を視野に成長戦略を加速 島岡岳史社長に聞く
島岡社長
ビジネス現場向けコミュニケーションツールを手がけるLINE WORKS(ラインワークス、東京都渋谷区)は、今夏に創業10周年を迎えた。その間に培った実績を土台に、今後も高度な技術を用いながら使いやすいサービスを追求し、「テクノロジーカンパニー」としての地位を強固にしたい考え。次の20周年を視野に一段の事業拡大を目指す島岡岳史社長に今後の成長戦略を聞いた。
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―10年の歩みを振り返ってください。
島岡社長 (7月に)ARR(年間経常収益)が160億円を達成し、スタートアップとして勢いよく業績を伸ばしてきた。「LINE」というブランドと合わせて成長してきた要素が大きい。
会社の電話はスマートフォンに置き換わり、ビジネスチャットがコミュニケーションツールとしてオフィスで使われ始めた。そうした時流に上手く乗った。
パートナーの力も大きかった。大手キャリアのパートナーと連携し、スマホを売る時に一緒にビジネスチャットもつけて有償化する施策が功を奏した。多くの顧客に利用され、強いビジネス基盤を作ることができた。
23年には、LINEのAI(人工知能)事業「LINE CLOVA」を統合した。新しいテクノロジーカンパニーに生まれ変わりつつある。
パートナー戦略にも注力
―今後の成長戦略は。
島岡社長 現場で使うデジタルのリテラシーが高くない人にも届けていきたい。業界や業種が抱える課題にきめ細かく応えていくことが重要だ。
複雑な製品群となるため、それらを顧客のニーズに応じて組み合わせて提供できるようにしたい。導入支援やサポートといったアプローチも考えている。
パートナー戦略も重要だ。成長の大きなエンジンはパートナーと考えており、事業のすそ野の拡大につなげていきたい。ビジネスチャットの良さが浸透していない中小企業にリーチするパートナーを増やしていきたい。
―昨年6月に社長に就任して以降、組織を強化してきました。
島岡社長 多様な業界や業種のニーズに寄り添えるよう営業体制を強化している。業界に特化したベンダーと組み、新たなソリューションを提供できるようにしたい。デバイス関連のパートナーにも注目している。
一方、社員の3分の1以上を占めるエンジニアを中心とした製品やサービスの企画、開発、運用に関わるメンバーが働きやすい環境づくりにも取り組んでいる。(複数の異なる製品を提供する)「マルチプロダクト」化が進む中、技術的な支援業務に取り組む可能性もある。さまざまなことにチャレンジする10年になる。
現場に愛されるサービス
―どういう強みを発揮し、競合との差別化を図りますか。
島岡社長 LINEのインターフェースに非常に似ていて、デジタルリテラシーが高くない人でも教育無しで簡単に利用できるのが最大の強み。現場に愛されるサービスを広めていく。
多国籍なエンジニアと技術を共同開発することに加えて、音声や画像などを処理するAI技術を持っていることも強み。それらを組み合わせることで、かゆいところに手が届くサービスを提供できると考えている。
アジア市場にも熱視線
―コミュニケーションツール市場を開拓する余地は。
島岡社長 中小企業の顧客が多くいる。普通に使えることを知ってもらえば、顧客の数はまだまだ増える。そこにソリューションを追加することで、売り上げを拡大する可能性を広げていきたい。
海外では、東南アジア市場への展開を目指したい。欧米も含む各国のテクノロジーをミックスし、社会に届けていく。そうした多様な技術を集め、よりシンプルで使いやすいサービスにして届けていきたい。