2025.09.01 IPAが万博で未来の夏祭り ARなどデジタル技術活用
VRゴーグルを装着して没入型教育を体験
情報処理推進機構(IPA)は、大阪・関西万博内のEXPOメッセ「WASSE」で8月27日から30日まで没入型(イマーシブ)の体験展示「Live Anywhere/星の島の夏祭り」を開催した。AR(拡張現実)などのデジタル技術を活用した2050年の未来の夏祭りを体験できるものとなった。
IPAは、経済産業省所管の組織であることから万博への協力とサイバーセキュリティーなど同団体の取り組みを周知することを目的に出展した。
齊藤裕理事長は「リブランディングにも取り組んでおり、デジタルのサービスを支える基盤としてわれわれが取り組む人材育成やサイバーセキュリティーがあることを一般の方にも知っていただきたい」と話す。
展示はデジタルを活用することで誰もが平等に「生きたい場所で、生きられる」未来の世界を体験できるものとなっている。会場内には「星の島」と呼ばれる架空の島にある学校の校庭で行われる夏祭りを再現している。会場の中央には、学校の校舎を再現した建物を設置。参加者は、VR(仮想現実)ゴーグルを装着して建物内を回り、未来の教育を体験した。
昨年のCEATECで展示した技術を活用したもので、参加者が教室に入ると、デジタル空間に現れた異なる国や地域の先生や生徒とともに音楽を楽しめる約6分間の没入型教育を体感できる。
決まったポイントを見つめるとIPAの取り組みの解説が見られる演出も用意した。校舎の周辺では、「未来の縁日」を再現。IPAの取り組みを紹介するものやAR技術を体験できる展示などを用意した。
「つながる花火」のブースでは、カメラが検知した参加者の動きに合わせて花火が上がる演出を用意。IPAでは、未踏事業として盆栽をデジタルツイン化して未来に残す取り組みをしていることから、伝統文化の継承をデジタルで支える活動を表現している。
「へんしん模様」のブースでは、画面に映る日本の伝統的な柄や文様が参加者が着用した白い法被に映し出される展示を行った。
「空とぶ宅配便」のブースでは、浜松市で行われているドローンを使った診療所への薬の運搬事例を紹介。診断から薬の提供までこれまで数日かかっていたものをその日のうちに提供できるようになった。ブースでは、実際に使用しているドローンを展示した。