2025.09.05 AIと会話し認知機能判定 FRONTEOと塩野義製薬がWebアプリを共同開発
トークラボKIBITの特徴
自然言語処理に特化した人工知能(AI)を強みとするデータ解析企業のFRONTEO(フロンテオ、東京都港区)と塩野義製薬は、AIと会話するだけで認知機能の状態を判定できるウェブアプリケーションを共同開発したと発表した。10月から日本生命保険の認知症保障保険の付帯サービスとして提供を始める予定。
今回のアプリ「トークラボKIBIT」は、スマートフォンで手軽に利用できる「あたまの健康度」の判定ツール。利用者がAIと5~10分会話するだけで、健康度を素早く判定し結果を表示してくれる。
具体的には、提示されるテーマから好みの話題を選んでAIの質問に答えると、文字起しを開始。AIはテキスト化された会話内容の文脈的つながりと語彙の多様性を解析し、「記憶力」「言語理解力」「情報処理能力」を総合的な指標としてスコア化。判定結果に基づき、行動変容を促すメッセージも表示してくれる。
そこで威力を発揮するのが、膨大なデータの中から必要な情報を的確に探し出すフロンテオ開発の特化型AI「KIBIT(キビット)」だ。塩野義製薬は、サービスの開発や事業を構築する役割を担った。
高齢化が進む日本では、認知機能の維持と向上が重要な健康課題の一つとなっている。こうした中で両社は2024年2月、認知症やうつ病の診断を支援するAIプログラム事業に関する戦略的な業務提携契約を結んだ。
両社は今後も、精神・神経系疾患を予防し生活の質を高めるという社会要請に応えて連携したい考えだ。塩野義製薬執行役員でDX推進本部本部長を務める三春洋介氏は、東京都内で開かれた発表会で、フロンテオとの協業の拡大に意欲を示した。