2025.09.11 AIがクリエイティブ作品の指導役に、デジタルハリウッドが10月から本格稼働

10日に都内で体験発表会が開催された。小島氏(中央)、藤本氏(最右)

「Ututor for Web Design」のデモ画面 該当の箇所に付箋形のフィードバックが現れる(提供:デジタルハリウッド)「Ututor for Web Design」のデモ画面 該当の箇所に付箋形のフィードバックが現れる(提供:デジタルハリウッド)

 IT人材養成スクールなどを運営するデジタルハリウッド(東京都千代田区)は、AI(人工知能)スタートアップのneoAI(同)とチューターAI「Ututor(ユーチューター)」を共同開発し、10月に本格稼働させると発表した。学生らが仕上げた課題作品への評価や助言を行うチューターAIを通じて、クリエイティブ教育の環境を充実させる。

 ユーチューターは、クリエイティブ教育に特化した学習支援AI。CG(コンピューターグラフィックス)やグラフィックデザインなどの課題作品を手がけた学生らは、チューターAIからの客観的な評価や助言を、時間や場所を問わず受けられるようになる。

 具体的には、課題作品のジャンルごとに最適なフィードバックを受けられるよう設定するとともに、ナレッジを組み込んだ。その内容に沿ってチューターAIが作品を見定め、レポートを生成する。

 「Ututor for CG」の場合、画像や動画をアップロードし作品の状態などの必要な情報を入力すると、フィードバックが表示。AIによる総評や各技能の評価などを確認できる。

 課題作品をリアルな教師に提出する前にAIを活用することで、人間が見落としがちな作品の評価ポイントを見つけるなど、クリエイティブ教育の質を高めることができる。

 デジタルハリウッドはチューターAIの正式版投入に先立つ10日、東京都内で発表会を開催。neoAIでAIソリューション第一部部長を務める藤本泰成氏は、会場で「正解を教えるのではなく、学びを加速させる。次の行動につなげられるかが大切で、講師を代替するものではない」と強調した。

 今後は、制作プロダクションで働くクリエイターが作品のブラッシュアップに生かすといった展開も見込まれるという。

 デジタルハリウッドスクール事業部東京本校運営マネージャーの小島千絵氏は、チューターAIを活用する意義に触れ、「AIで画像を作りたいという人が増える中、AIが作り出したものを判別できる審美眼を持つ人を育てる必要性を感じた」と述べた。