2025.10.14 富士通、3000社利用の仮想化基盤刷新 ニュータニックスのシステム導入

 富士通は、約3000社が利用する顧客企業向けサービス運用基盤について、従来の仮想化基盤を刷新し、クラウド基盤を提供する米ニュータニックスの仮想化基盤を搭載したシステムを導入したと発表した。刷新作業は8月から約2カ月で完了。その過程で得られた知見とノウハウを生かした移行支援サービスの提供も始めた。5年間で累計売上150億円を目指す。

 システム刷新により、仮想化基盤の導入コストを約30%削減し、移行後の基盤メンテナンスにかかる作業工数を約90%削減できたという。

 新たな仮想化基盤は、ニュータニックスの仮想化基盤を搭載したハイパーコンバージドインフラ「PRIMEFLEX for Nutanix」。失敗が許されないミッションクリティカルな企業向けシステムの老朽化やコスト増大に加え、新技術導入と運用効率化が求められる一方で、実際に刷新するとなるとシステム停止時間の抑制、既存システムとの互換性保持、データ移行の難度といった多数の障壁がある。こうした課題を克服するため、富士通はニュータニックスの移行ツールを活用しつつ、両社の最適設計ノウハウを融合させた支援を行う方針を決めた。

 富士通は今回の事例を足がかりに、オンプレミス(社内運用)の既存仮想化基盤からニュータニックス基盤への移行を推進。軸となるサービスとして、構想段階から設計・移行・運用に至るまでトータルに支援する「Mission Critical Transformation Service」を強化する。

 移行計画を綿密に立案し、再起動やサービス確認作業を確実に実施する体制を整備。既存仮想環境から新環境への構成見積もり、互換性評価、性能チューニングなどを含む構成設計を行い、円滑な移行につなげる。

 富士通の古賀一司執行役員専務は「短期間での移行完了と大幅なコスト削減が実現できた。ノウハウを結集し、オンプレミス仮想化基盤の変革を強力に支援する」とコメントした。