2025.10.17 ステランティス、米国に130億ドル投資し工場再編 100年の歴史で最大規模

ステランティスのトレド工場(オハイオ州)内部

アントニオ・フィローザCEOアントニオ・フィローザCEO

 オランダの自動車メーカー、ステランティスは14日、米国の生産拠点をテコ入れするために、今後4年間で130億ドルを投資すると発表した。米国での生産拡大を図るとともに、イリノイ、オハイオ、ミシガン、インディアナの各州で計5200人を新規雇用する計画だ。

 発表された工場別投資額によると、イリノイ州ベルビディア工場ではジープの「Cherokee」と「Compass」の2車種を2027年から生産スタート、同工場への投資額は6億ドル、3300人を新規雇用する。

 オハイオ州トレド工場には4億ドルを投資し、これまでイリノイ州ベルビディア工場で生産していた中型トラックの生産をトレド工場へ移管する。新たに900人を雇用。SUV(多目的スポーツ車)「ジープ」の生産も強化する。

 1億ドルを投資するミシガン州ウォーレン工場は、レンジ・エクステンデッド型EV(航続距離延長型電気自動車)と内燃エンジン搭載の大型SUVを生産する計画だ。新雇用900人を予定。ミシガン州デトロイト工場への投資額1.3億ドル。100人を雇用して次世代のSUV「Dodge Durango」を組み立てる。

 インディアナ州ココモ工場への投資額1億ドル。雇用数は100人。次世代の直列4気筒エンジン「GMET4 EVO」を26年から生産を始める予定だ。

 同社は今回、工場別の投資額しか公表していないが、電池開発や充電インフラ整備、研究開発費などが130億ドルに含まれる。

 6月末に就任したアントニオ・フィローザCEOは「米国で次の100年が始まった。顧客に車種選択の自由を拡げたい。米国での成功は自国だけでなく、世界どこでも当社の強みを生かしていく」とコメントした。