2025.10.23 ニコン、FPD露光装置に初の紫外線LED 水銀フリーで性能向上・環境負荷低減
ニコンはFPD露光装置に紫外線lEDを光源に採用し水銀フリーに
ニコンは、フラットパネルディスプレー(FPD)露光装置として初めて紫外線LED(UV-LED)光源を採用した新製品の受注を11月に始める。
従来広く用いてきた高圧水銀ランプから発する波長365nmのスペクトル線、i線に相当する光源を持つ「FX-88SL」と、i線に加え波長405nmのh線に相当する光源を持つ「FX-88SLD」を用意する。ともに2290mm×2620mmの第8世代ガラス基板サイズに対応。基板の処理時間を短縮でき、かつ高圧水銀ランプより消費電力が小さく、環境負荷も低減できる。
スマートフォンからパソコン、車載ディスプレー、大型テレビに至るまで幅広い電子機器が搭載するFPDの製造に向く。
ニコンの高精度フォーカス補正システムにより、第8世代の基板全面で優れた線幅均一性を発揮しながら、4回のスキャンで全面露光が可能と打ち出す。i線相当の光源を搭載したFX-88SLは配線の幅と隣り合う配線同士の間隔が1.5µm L/Sの解像度を実現し、基板1枚当たりの処理にかかる時間、タクトタイムは39秒と従来機種「FX-88S」に比べ17%短縮した。i線、h線相当の光源を搭載した「FX-88SLD」は高照度が必要な製造工程の生産性向上に資するとする。
いずれも重ね合わせ精度は±0.3µm。複数の投影レンズを並べ精密制御し1本の巨大レンズを用いたかのように露光する「マルチレンズシステム」を生かし、大型基板で発生しやすい歪みなどの変形に対しても高精度を発揮する。
高照度により生産性を高めつつランニングコストも抑えられるとしている。ニコンはUV-LED光源の部品をリサイクルする仕組みも構築する。








