2025.10.29 熊本放送、AIスタートアップと放送業務DXへ共同開発

熊本放送

もみじAIもみじAI

 熊本放送(熊本市中央区、RKK)と、熊本大学発AI(人工知能)ベンチャーのもみじAI(東京都文京区)は、CM素材管理業務の効率化と新たな価値創出を目指し、CM進行表と放送運行表の突合作業を自動化する新システムの共同開発に着手する。

 光学文字認識機能にAIを加えた「AI-OCR」技術と独自の突合ロジックを活用し、CM進行表と放送運行表の照合作業を自動で行う新チェック体制を構築する。RKKが現場に即した要件を定義し、現在も熊本を中心に活動するもみじAIが開発を担当。本格的な共同開発を10月からスタートしている。

 CM進行表と放送運行表突合に加え、番組素材や編成データ、送出記録など、放送局内に点在する他の突合・照合作業への応用も視野に入れる。応用を広げて放送現場のスリム化を進めるとともに、同様の課題を抱える他局への展開も見据え、放送業界全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)化にもつなげていく。

 地方局を中心に多くの放送現場では、広告会社から届くCM進行表と、それに基づいた局のCMデータ表との突合を、紙資料をもとに手作業で行っている。放送の正確性を支える一方で、品質管理に多くのリソースが割かれるという課題があった。