2025.11.18 東陽テクニカ、ネットワーク上の映像・音声品質管理を可視化 新機能を12月発売

大容量パケットキャプチャ・解析システム「SYNESIS」

 東陽テクニカは、自社で開発した大容量パケットキャプチャ・解析システム「SYNESIS(シネシス)」に新たな解析機能を追加し、12月に発売すると発表した。 ネットワーク上の映像や音声の品質を可視化し客観的に評価できるようになる。放送局や制作現場、通信事業者の品質管理やトラブル対応の効率化を後押しする。

 シネシスは、ネットワーク上を流れる毎秒400ギガビット(Gbps)の通信データ(パケット)を取りこぼしなく記録・解析できる高性能なパケットキャプチャ装置。今回、音声や動画の伝送に用いられるプロトコル 「RTP(Realtime Transport Protocol)」 でのパケットの到着時間のばらつきやパケットロスを、送信元と宛先のペア単位で測定する機能を実装した。

 これにより、従来は目視判断に頼っていた映像・音声品質をリアルタイムで定量的に評価し、障害の早期検知と原因特定が迅速に行える。また、長期間キャプチャしたデータを活用して障害の再現検証を行うことで、障害対応の時間短縮やコスト削減に寄与する。

 今後は高い時刻同期の精度を実現する技術「PTP(Precision Time Protocol)」や「マルチキャスト」などの監視機能も追加する予定で、放送ネットワーク全体の品質管理を包括的にサポートしていく。

 従来、テレビ放送は「SDI(Serial Digital Interface)規格」のケーブルを利用して映像を伝送していた。近年は、IP(インターネットプロトコル)を用いた伝送に置き換わってきている。IP放送環境では、ネットワーク特有の遅延やパケットロスが映像・音声品質に直結するため、これらを客観的に数値で解析するニーズが高まっている。