2025.11.18 リョーサン菱洋HD、次のアライアンス「3年後では遅すぎる」中村社長

次のアライアンスなどについて語る中村社長(11月、東京都)

 2024年度にエレクトロニクス商社2社の経営統合で発足したリョーサン菱洋ホールディングス(リョーサン菱洋HD)は、次なるアライアンス(提携)を計画する。中村守孝代表取締役社長執行役員は「3年後では遅すぎる」と語り、25年度から26年度いっぱいかけて早急に事案化を進めるとした。11月に開いた25年4~9月期の決算説明会で明らかにした。

 リョーサン菱洋HDは、エレクトロニクス商社のリョーサンと菱洋エレクトロの統合により両社を完全子会社とする共同持ち株会社として設立。26年4月には事業会社のリョーサンと菱洋エレクトロも合併し、商号を「リョーサン菱洋」とする方針だ。

 リョーサン菱洋HDは中期経営計画で28年度の売上高を5000億円、営業利益を300億円とする目標を掲げる。25年11月時点で、中村社長は新たなアライアンスを含まずこの目標の達成を目指すとしたが、25年度の手応えなどを見て、必要があれば来年の決算発表段階で修正し「アライアンスを含めた形に変えることはあり得る」とも述べた。

 リョーサン菱洋HD発足後もエレクトロニクス商社の間では規模の経済性を意識した経営統合が相次ぐ。中村社長も中計目標を達成し、さらに上を目指すに当たり「規模は大切」と語った。その上で、売上高が1000億円以上大きな同業他社と肩を並べるには、さらに1~2社との新たなアライアンスは不可避との考えを示した。

 リョーサン菱洋HDの26年3月期第3四半期(25年4~9月)連結業績は前年同期に比べ減収、営業増益。産業分野を中心に半導体などのデバイス事業が減収だが、営業利益はデバイス、ソリューション事業が増益。売り上げ規模が大きく粗利率の低い案件が縮小した。通期連結業績予想は売上高を下方修正したが各利益は据え置いた。