2025.11.28 九州総合通信局 「九州ICTイノベーションセミナー2025」 福岡で開催

ICT関連の最新技術動向などを紹介

NICTの超スポット通信サービスの実証デモNICTの超スポット通信サービスの実証デモ

 九州総合通信局は、情報通信研究機構(NICT)と九州テレコム振興センター(KIAI)との共催で、「九州ICTイノベーションセミナー2025」を26日、福岡市博多区のJR博多シティとオンライン配信のハイブリッドで開催した。

 地域のICT研究開発支援に向けて、AI(人工知能)や無線通信などICT関連の最新技術動向や研究開発事例などを紹介するもので、あいさつに立った九州総合通信局の中西悦子局長は、「NICTでも生成AIの確からしさを調べるAIを作るといった報道が出ているが、使えるAIにしていくための活動ではこれから大切になっていく」と述べた。

 北陸先端科学技術大学院大学の丹康雄副学長は「ICTによる大変革期を前に思うこと」をテーマに講演。AIの登場はこれまでのICTの必然的な結果とし、1980年代から最近までのICTにおけるキーワードと転換点を参照しながら解説した。

 民間企業の事例紹介では、ソフトバンクから「AIの社会実装に向けたソフトバンクの取り組み」が説明された。東阪に集中しているデータセンターを全国に分散することで処理や電力の地産地消を図ろうと、同社は北海道苫小牧市に大規模データセンターを建設中。今年10月からサービスを開始したAIデータセンターの活用や日本語に特化したLLM(大規模言語モデル)の「Sarashina」、来年4月リリース予定のAISaaS開発に向けたソブリンクラウドプラットフォームなどを紹介した。

 ICT研究事例発表は、信州大学から「山岳・中山間地域における通信上の孤立を防ぐレジリエントIoTシステムの研究開発」、NICT研究開発紹介は「『今だけ・ここだけ・あなただけ』で創る大容量通信サービスのエコシステム~自律型モビリティと超スポット通信が融合するCPSサービスの研究開発~」で、会場後方では、信州大学と、NICTの展示デモを行い、オンライン試聴の参加者にも公開された。