2025.12.03 中国清華大とEVのSeres、電池研を共同で設立

Seresと清華大が共同で電池の研究所を開設

 中国の清華大学と電気自動車(EV)メーカーのSeres Automobile(賽力斯汽車)は、次世代電池の研究所を共同で開設し、11月28日に同大学で開所式を行った。同研究所の名称は「清華‐賽力斯電池創新技術連合研究中心」で、電池と安全技術の研究、安全規格、製造技術などを中心に研究を行う。清華大学は電池研究が盛ん。トヨタ自動車、日産自動車、ニデックなどの日本企業とも共同研究を活発に展開中だ。

 共同研究では、清華大学が電池分野で中国の主要研究機関としてのノウハウを、Seresが車両研究や電池生産技術などを持ち寄り、電池のケミストリーや安全性、生産プロセス、システム統合などの検査を行う。このため研究センターでは、ラボとしての施設以外に試験機器などを備えている。

 地元メディアのIT‐homeによると、開所式にはSeresグループの創業者でもある張興海会長や清華大学の彭剛副学長が出席。張会長は「新研究所は電池や安全技術の研究に注力するほか、研究者が実用のスキルを学べる機会も与えたい」と意向を示した。Seresは2021年、ファーウェイ(華為技術)と提携して、スマートEV「問界(AITO)」を共同開発した。

 一方、1911年に設立した清華大学は、工学や技術、応用科学で国内屈指の実績を誇る。彭副学長は「新しい研究所は国の第15次5カ年計画に沿った優先度で研究を行う。国のエネルギー確保に努めたい」と述べた。