2025.12.05 マイナンバーカード保有枚数が1億枚突破、人口の8割に 広がる利用シーン

閣議後会見に臨む松本尚デジタル相(出所:デジタル庁のホームページより)

 マイナンバーカードの保有枚数が3日時点で1億2万9804枚となり、初めて1億枚を超えた。総務省とデジタル庁が5日、発表した。人口に占める保有者の割合は80.3%に達した。

 マイナンバーカードは、個人番号を証明する書類や公的な本人確認書類として利用できるICカードで、2016年1月に交付を開始。それから10年目で、保有枚数が1億枚を突破した。

 総務省によると、直近の1日当たり平均の申請受付件数は、8~10月は5万~6万件台で推移し、11月には6万7289件まで増えた。直近1週間(11月27日〜12月3日)では、8万7553件に急増した。背景には、従来の健康保険証が今月1日で廃止され、2日以降はマイナンバーカードに保険証機能を持たせた「マイナ保険証」の利用が原則となったことがあるとみられる。

 マイナンバーカードを活用したサービスは、コンビニエンスストアでの証明書交付など、生活のさまざまな場面に広がっている。3月からは運転免許証としての利用が可能になり、10月には救急隊員が傷病者のマイナ保険証を活用する「マイナ救急」が全国一斉に開始された。さらに、銀行や証券などの口座開設や携帯電話購入時の契約などに、カードによる公的個人認証サービスが浸透している。

 林芳正総務相は5日の閣議後会見で、マイナンバーカードの保有枚数が1億枚という節目を迎えたことについて、「カードの利便性の拡大に努めてきたことなど、さまざまな取り組みの成果である」と手応えを強調。その上で、カードのさらなる利便性向上に努める考えを示した。松本尚デジタル相も同日の会見で保有状況に触れ、「今後もさらなるサービスの強化に向けて、利用シーンの拡大を図っていきたい」との考えを示した。続けて、カードの恩恵を国民一人一人に行き渡らせる必要性も説き、「(カードの利便性やメリットに関する)情報の発信に努めていきたい」と語った。