2025.12.11 新コスモス電機 大阪・淀川工場で津波避難訓練 初の地域住民参加

淀川工場で実施した津波避難訓練

あいさつする新コスモス電機の山田取締役あいさつする新コスモス電機の山田取締役

 ガス警報器‧検知器メーカーの新コスモス電機は、津波避難ビルに指定されている淀川工場(大阪市淀川区)で、地域住民参加の津波避難訓練を初めて行った。淀川区役所職員や町内会長、福祉施設関係、地域住民ら58人と従業員122人の計180人が参加。実際の避難動線や収容能力の確認、住民誘導方法を検証した。

 2025年1月に開所した淀川工場は、近隣のエリアに津波避難ビルが少ない。そうした中、地域へ恩返ししたいという思いで、大阪市へ申請し、津波避難ビルに指定された。今回の訓練を踏まえ、今後は災害時に迅速で安全に地域住民を受け入れられる体制を構築する。

 訓練は、大阪府に大規模な地震が発生し、津波警報が発報されたと想定。津波避難ビルの入り口を確認したほか、階段を6階まで上がり、避難場所への避難する動線を確認。1階から6階まで、階段での避難に要した時間は約3分だった。

 そのほか、淀川区役所や警備会社のALSOKによる講評に加えて、大阪市淀川区社会福祉協議会によるエアーストレッチャーの使い方確認講座も実施。参加した従業員や住民は、エアーストレッチャーの使用方法の説明を真剣に聞き入っていた。

 新コスモス電機取締役の山田芳穂上席執行役員は「津波避難ビルに指定されることで、地域の人に恩返しができると考えた。訓練では参加者が緊張感を持って取り組む姿が見られた。地域の人にもビルの入り口や工場の内部を確認してもらえてよかった」と話した。

 今後は、同様の訓練を定期的に開く予定。日常的に訓練を繰り返すことで有事の際にも避難できる体制を構築する。