2025.12.17 ミサワホーム・電通大・大末建設、「床下点検ヘビ型ロボット」実用化 作業負担軽減へ
共同開発した床下点検ヘビ型ロボット「ユカダイショウ」
ミサワホームと電気通信大学、大末建設は、細長く柔軟なヘビのような機動性を備えた「床下点検ヘビ型ロボット」を実用化したと発表した。戸建て住宅の床下を点検する作業を代替できるロボットで、作業員の負担軽減や安全性の向上を後押ししていく。
3者が共同開発した今回の成果は、戸建て住宅の床下点検を安全に行う守護者としての役割を担うヘビ型ロボットで、「ユカダイショウ」と名付けた。寸法は長さが約1150㎜、幅が150㎜、高さが150㎜。バッテリー仕様で、車輪で駆動する。
具体的には、大幅な小型化を実現することで、限られたスペースでもスムーズな走行できるようにした。頭部を挙上する機構を搭載したことも特徴で、高さの異なる配管に対応できる。さらに多連結構造を採用することで、曲がり角や段差でも安定した走行を可能とした。
ロボットには半自動で乗り越える機能を搭載しており、点検員1人で遠隔操作できる。前面に配置した「LiDARセンサー」で周囲を計測し、事前に読み込ませた図面と連動させることで、位置を正確に把握できるという。
電気配線や給排水配管が複雑に交差する建物の地下ピットや戸建て住宅の床下では、水漏れや劣化の兆候などを早期に発見するための定期点検が行われる。ただ、うつ伏せの姿勢が長期間に及ぶなど、点検作業員の負担が大きいのが実情だ。人手不足や作業員の高齢化という課題にも直面する中、点検作業を代行し安全で効率的に状況を把握できるロボットの開発が望まれていた。
ベースとなるロボットは2022年、電気通信大大学院情報理工学研究科の田中基康教授と大末建設が共同開発し、23年度から建設現場の地下ピット点検に導入。その後、戸建て・賃貸住宅での活用を視野にミサワホームが参画し、3者の連携体制を構築した。
今後も3者は連携し、さらなる活用領域の拡大を目指すとともに、技術検証にも注力。建設・住宅業界での働き方改革と点検品質の向上に寄与したい考えだ。









