2025.12.17 高出力な住宅用太陽光発電発売へ 充電速い蓄電池も投入 シャープ

住宅用太陽光発電システム新製品の設置イメージ

クラウド蓄電池システム設置イメージ(蓄電池本体を2台設置し、15.4kWhに大容量化した場合)クラウド蓄電池システム設置イメージ(蓄電池本体を2台設置し、15.4kWhに大容量化した場合)

 シャープは、出力を高めた太陽光発電システムと充電スピードを速めたクラウド蓄電池システムの新製品を2026年2月から順次投入する。

 太陽電池モジュールの新製品は、フラッグシップ(BLACKSOLAR ZERO)、スタンダード、ベーシック3ラインのうち、ベーシックタイプのモデルチェンジとなる。

 面積が大きい高効率大電流セルを採用し、出力が同社従来機比(25年度モデル)で約4%向上。モジュール変換効率は0.6%増の24.9%(標準タイプ)を実現する。

 ラインアップは、公称最大出力458WのNU-458PU(標準タイプ/税込み31万2400円)、305Wの同305PU(スリムタイプ/同22万1100円)、300Wの同300MU(防眩<ぼうげん>モデル/同23万3200円)(各26年4月10日発売)。

 短辺の長さが標準タイプの3分の2であるスリムタイプは、標準タイプとフレキシブルに組み合わせることで高いシステム容量を実現できる。

 標準タイプを12枚(容量5.49kW)搭載する屋根の場合、余ったスペースにスリムタイプをもう一列(4枚)敷くと、搭載容量は6.71kWにでき約22%高められる。

 太陽光の反射を大幅に抑える防眩モデルは、従来推奨されていなかった北面設置を可能にし、搭載容量のアップが図れる。

 ガラス表面に凹凸をつけ、太陽光反射を散乱させることで眩しさを抑えており、光沢度はガラスが100に対し、1.3となっている。

 また、新たに「DC(ダイレクトキャッチ)横葺(ぶ)き工法」に対応。金属横葺き屋根でも穴を開けずに施工することができるようになった。スリムタイプもラインアップし、屋根の形状に合わせて効率よく配置することで、高いシステム容量を実現する。

 太陽電池モジュールの出力アップに対応し、入力電流範囲を拡大した住宅用クラウド蓄電池システムの新製品も投入する。

 パワーコンディショナーのJH-59TF4(税込み60万6100円/2月13日発売)は、入力電流範囲を16A(従来機14A)に拡大した。定格出力は同社従来機比(21年度モデル)で約7%アップの5.9kWとなり、対応できる太陽光発電システム容量の拡大が可能になる。従来の3回路から4回路入力にも対応した。

 蓄電池JH-WB2521(同268万4000円/2月13日発売)は、充電電力を拡大した。2台使いの場合、充電時間が従来機比で約1.5時間短縮し、約3時間で満充電にできるため、短い晴れ間でも効率よく充電できる。放電電力も2.0kWから2.8kWへ拡大し、停電時に使える機器が増える。エアコンやケトルといった消費電力の大きい家電が使え、新たに温水洗浄便座のような半波整流機器も使用可能になった。

 蓄電池用コンバーターJH-WDT11(同20万5700円)も2月13日に発売する。定格出力4.0kWのパワコンJH-40TF2(同51万5900円)も3月13日から発売する。

 太陽光発電と蓄電池システムの両方で活用するパワーコンディショナーは、本体下部の左右どちらからでも配線できる“どっちもホール”を採用。設置場所の自由度を高め、施工性が向上した。

 太陽光発電・蓄電池・HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)が連携し、独自のAI(人工知能)で賢く制御する同社住宅用エネルギーソリューション「Eeeコネクト」の対応機器をパワーアップすることで、高まる電力の自家消費ニーズに対応していく。