2025.12.17 住宅用エネルギー管理、AI制御を進化 シャープ

シャープのエネルギートータルソリューションのイメージ

 シャープは、クラウドHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)サービス「COCORO ENERGY」のAI(人工知能)制御を進化させ、2026年2月12日から提供開始する。対象のHEMS機器はJH-RVB1。サービス利用は無料。

 今回のバージョンアップは、多様化する電力会社の料金プランに柔軟に対応するため実施する。蓄電池や給湯器を自動で賢く制御し、電気代削減に貢献する。

 今年10月から、FIT(固定価格買い取り制度)が改定され、余剰電力の買い取り単価が10年固定から4年で変動する新制度がスタートした。

 従来、買い取り価格は10年固定の15kWh/円で、夜間電気代21円kWh/年(中部電力「スマートライフプラン」と再エネ賦課金加算額)より安い買い取り単価のため、自家消費した方が有利だった。

 新制度では、売電開始4年間は24円kWh/年と高額設定され、創った電気は売った方が有利となり、再エネ・創エネ設備導入にかかる初期投資の回収を早める配慮がされている。5年目以降は市場価格相当(8円kWh/年)での電力買い取りに戻る。

 一方、電力会社の電源構成転換による電力調達コストの変動などを背景に、電力各社の電気料金プランが多様化している。その一環として、再生可能エネルギーの発電時間に電力需要をシフトして、発電をより有効活用する「料金型DR(デマンドレスポンス=電力需給調整)」の導入も進む。

 こうした状況にCOCORO ENERGYのAI制御を対応させ、顧客が契約する電気料金プランを登録すれば、プランの特性や余剰電力の買い取り価格を考慮しながら、蓄電池や給湯器を自動で賢く制御する。

 余剰電力活用AIに加え、新たな制御として夜間電力活用AIを導入。夜間電力を有効活用するAI制御により、夜間の単価が余剰電力の買い取り単価より安い場合、夜間電力を貯めるよう働く。

 貯める、貯めないの判断はAIが自動で行う。売電単価が夜間単価を上回る(夜間単価が安い)中部・関西・九州電力管内で使用を推奨する。それ以外の地域では従来通り余剰電力活用AIで、太陽光発電の余剰電力を有効活用する。

 従来通り、顧客自身で運転モードを選ぶこともできる。引き渡し時の設定によって4年後には自家消費に自動切り替えができる。

 また新開発のAI制御は、料金型DRにも対応可能(一部非対応のプランあり)。料金単価は6カ月に一度更新。料金プランの単価改定の場合も顧客による操作は不要だ。

 同社では太陽光発電システムの新製品で発電量を最大化させるなど、製品の高効率化、使い勝手の良さを進化させつつ、AIによる最適制御でメリットを最大化させ、カーボンニュートラルの取り組みを加速させる。