東京電力エナジーパートナー(東京電力EP）は、2024年6月から提供している家庭向けDR（デマンドレスポンス)サービス「エコ・省エネチャレンジ 機器制御オプション」で、遠隔制御が可能な機器としてシャープ製家庭用蓄電池を27日に追加した。

　東京電力EPとエナジーゲートウェイ（EG）、シャープエネルギーソリューション（SESJ）の3社は、24年12月～25年3月にかけ、シャープ製の家庭用蓄電池を遠隔制御するDRの実証を実施した。　

　同実証では、あらかじめ策定した運転パターンに基づいて蓄電池が適切に作動し、電力の需給調整に有効な調整力を創出できることを確認。実証を通じて得られた知見をもとに、3社で検討を進めた結果、DRサービスの対象機器にシャープ製の家庭用蓄電池を追加した。

　この取り組みは、電力小売事業者と蓄電池メーカーが協業することで、今後の家庭用DRリソースの拡大につながる新たな第一歩になるという。

　今回、実証時と同様に、分散型エネルギーの相互接続を容易にする情報通信基盤「Public Power HUB（PPH) 」（EX4Energy製）が実現する、異なる通信方式でも最適制御可能なエネルギー機器相互接続サービスを東京電力EPとして商用環境下で初めて採用。さらに多くの家庭用蓄電池の効率的な制御が期待できるようになる。

　また、クラウドを活用したHEMS（住宅用エネルギー管理システム)サービス「COCORO ENERGY」と連携することで、各家庭の電気使用状況や気象予報に基づいたAIによる賢い自家消費制御を実現。必要なタイミングでDRの制御を行うことで、経済的で環境に配慮した運転が可能になる。

　3社は、取り組みを通じて、再生可能エネルギーの有効活用や電力の安定供給、顧客負担の軽減につながる新たな家庭向けDRサービスの普及を進めていく。